選挙とSNSの収益化、規制は必要か 元総務省選挙部長に聞く
選挙とSNS収益化規制の是非 元総務省選挙部長に聞く

選挙におけるSNSの悪影響を抑えるための改正法が国会で成立したが、動画投稿などで収益を得る「収益化」については正面からの規制が見送られた。この問題について、総務官僚として選挙実務に長く携わってきた大泉淳一氏(元総務省選挙部長)に意見を聞いた。

収益化が民主主義に与える影響

近年の選挙では、切り抜き動画やショート動画がSNSに盛んに投稿され、多くの有権者が目にするようになった。報道によると、閲覧数に応じて投稿者が収益を得られる仕組みがあるため、政治に興味がない人々が人目を引く動画を作成している実態が明らかになっている。

大泉氏は「選挙が金もうけの手段になるのは本来良いことではない」と指摘する。「選挙は、立候補して世の中を変えたい人々が真摯に政策を訴え、有権者がそれを見て聞いて考え、反応して政治家を選ぶプロセスであり、民主主義の根幹だ。お金でゆがめるようなことはあってはならない」と述べた。

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一方で、特定の政治家を本当に応援したいために収益化をしている人もいる可能性に触れ、「違う意図でやっている人がいるのだとすれば、いかがなものか」と懸念を示した。

規制の難しさと今後の課題

しかし、収益化を規制すべきかは別の問題だと大泉氏は言う。「選挙の公正が害されていると証明できるなら、法改正などの手当てが可能かもしれない。例えば現行の公職選挙法は、票を得るための買収を禁じているが、それは選挙の公正を害してはならないという趣旨があるからだ」と説明した。

SNSの収益化については、現時点では明確な規制が難しく、今後の議論が必要とされる。大泉氏は「収益化が選挙の公正を直接的に害するかどうか、実証的なデータや事例の蓄積が求められる」と述べ、慎重な対応の必要性を強調した。

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