来春の札幌市長選を巡り、前衆院議員の荒井優氏(51)が13日、中道改革連合に離党届を提出し、無所属で立候補に向けた準備を進める意向を表明した。自民党も独自候補の擁立に向けて動いており、「与野党対決」の構図となる可能性が高い。市長選まで1年を切る中、出馬を巡る動きが活発化してきた。
荒井氏、無所属での出馬準備を表明
「今後は無所属になって、市長選へ向けた出馬の準備をしっかり進めていきたい」。荒井氏は13日、札幌市内にある中道改革の道内組織「北海道中道改革フォーラム」の事務所を訪れ、神谷裕代表に離党届を手渡した。
荒井氏は離党の理由について「首長に選ばれた場合、各党と等距離で付き合いながら、是々非々で向き合っていくことになる。市長を目指す以上、無所属が当たり前ではないかと思った」と説明。市政については、除排雪や地下鉄延伸、厳しい財政などの課題を挙げ、「国政に携わり、改めて札幌の重要性を感じた。人が育つ、成長していく地域にしたい」と語った。
3期目の秋元克広市長は次期市長選に立候補しない意向を固めており、9月以降に支援者らとの会合を経た上で、不出馬を発表するとみられている。荒井氏はこの日、秋元市長の出処進退の決断を待って、正式に出馬表明したいとした。
中道改革や立民が支援へ、経済界の支持も
離党届を受け取った神谷代表は「これまでも一緒にやってきた仲間なので、我々としても何ができるのかを荒井さんとともに考えていきたい」と述べた。選挙戦の際は、中道改革や立憲民主党が荒井氏を支援するとみられる。
ある経済団体の幹部は、「荒井氏は経済界とのパイプが太く、自民支持者にもファンが多い。荒井氏なら野党もまとまりやすいだろう」との見方を示す。
自民党、候補者擁立に苦戦
一方で、独自候補の擁立を目指す自民党は、候補者探しが難航している。同党は、札幌市支部連合会(札連)執行部を中心に、昨年末頃から候補者探しを水面下で開始。市議や国会議員、官僚などに声をかけて回っているが、まだ擁立には至っていない。
背景には、2月の衆院選で自民が大勝したことがある。ある自民市議は「本来なら出馬候補になっていた人が軒並み当選してしまった。荒井氏とも戦える、知名度も実力もある人を探すのは相当に骨が折れる」と漏らす。
IT企業社長も出馬表明、自民支援求める
市長選を巡っては、ITシステム開発会社社長の入沢拓也氏(46)が出馬を表明しており、自民に支援を求めている。だが、札連執行部は今月3日の総務会で、「入沢氏から正式に党の推薦を求める文書が届いているわけではない」とした上で、候補者を公募するのではなく関係者から推薦を募ると決めた。
ある札連関係者は、入沢氏を「若いし、行動力もある」と評価する一方で、「荒井氏と選挙戦になった場合、どうしても政治経験の有無が比較される。入沢氏とつながりのある経済界の票も、荒井氏に集まる可能性が高いのも大きな懸念材料だ」と語る。
自民、8月末までの擁立目指す
札連は月内に選考委員会を設置し、8月末までの擁立を目指す。党内では複数の国会議員が、札幌市生まれの衆院議員(43)を選考委に推薦する意向を固めるなど、動きが活発化しつつある。札連関係者は「時間がたてばたつほど選挙戦が不利になる。広く推薦を募りながら、早急に適任者を擁立したい」と話している。



