れいわ消滅は単なる色物政党の退場劇ではなかった…山本太郎氏の軽挙妄動が政界にもたらした重い罪
れいわ消滅は色物政党の退場劇ではなかった…山本太郎氏の軽挙妄動が政界にもたらした罪

2013年の参議院選挙で当選して以来、さまざまな話題を振りまき続けてきたれいわ新選組の山本太郎前参院議員が7月9日、同党代表の辞任と政界引退を表明した。自身が運転する自動車での制限速度超過による検挙や、持病の治療が理由だ。これを受けて、れいわは17日告示・31日開票の日程で代表選を行い新代表を選出するとともに、党名も変更して再出発することになる。しかし、もともと山本氏の強い個性と抜群の大衆アピール力で有権者の支持を得てきた特異な政党だけに、山本氏不在の党再建は困難とみられている。併せて、こうした「山本れいわ」の事実上の“消滅”が、政界での「革新左派」の総後退にもつながり、今後は老舗の共産党が孤塁死守を余儀なくされることになりそうだ。

「自分の健康を取り戻すことが第1位」

政界引退を表明した山本氏は、今年1月に病気治療に専念するとして参院議員を辞職した一方、代表職にはとどまっていた。しかし、山本氏が25年に大分市で制限速度を69km超える時速149kmで走行し、道路交通法違反で検挙されたことが発覚。これを受けて同氏は7月9日に記者会見を開き、「大幅な速度超過を反省している。言い逃れできない」と謝罪したうえで、「自分の健康を取り戻すことが優先順位の第1位だ」と政界引退を表明した。併せて山本氏は、大石晃子共同代表(前衆院議員)や山本譲司幹事長(衆院議員)ら党執行部の解任を発表したほか、自らの後任を選出する代表選の日程なども公表。会見に同席した大石氏は離党を表明した。

「山本れいわ」がもたらした光と影

山本氏は2013年の参院選で当選後、消費税増税反対や原発ゼロなどを掲げ、既存政党に属さない独自のスタイルで注目を集めた。2019年にはれいわ新選組を結成し、同年の参院選で比例区から2議席を獲得。2022年の参院選では、自身も含め5議席に伸ばした。しかし、党内では山本氏への過度な依存が指摘され、組織としての基盤は脆弱だった。今回の引退表明で、れいわは事実上の存続危機に直面している。

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れいわと参政党は「コインの表裏」

政治ジャーナリストの泉宏氏は、れいわと参政党を「コインの表裏」と評する。両党とも既存政党への不満を背景に急成長したが、リーダーの個人的カリスマに依存し、組織化に失敗した点で共通する。参政党は2022年参院選で1議席を獲得したが、その後内部対立が表面化。れいわも同様の道をたどる可能性が高い。泉氏は「山本氏の軽挙妄動が、革新左派全体の求心力低下を招いた」と指摘する。

革新左派の総後退と共産党の孤塁死守

れいわの消滅により、革新左派の受け皿は共産党だけになる。共産党は2022年参院選で改選前の11議席を維持したが、支持層の高齢化が進み、若年層への浸透に課題を抱える。れいわが担っていた若者や都市部のリベラル層の支持を共産党が獲得できるかは不透明だ。泉氏は「共産党は孤塁死守を余儀なくされるだろう」と予測する。

れいわの今後と政界への影響

れいわは代表選を経て新代表を選出し、党名変更も検討しているが、山本氏の影を払拭するのは難しい。党内には山本氏の路線を継承するグループと、より現実路線を求めるグループの分裂がくすぶる。一方、山本氏の引退は、政界のポピュリズム勢力全体の退潮を示す象徴的な出来事とみられる。今後の国政選挙では、既存政党への回帰が進む可能性がある。

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