旧11宮家と天皇陛下は36~38親等の隔たり、宮内庁が衆院議運委で答弁
旧11宮家と天皇陛下は36~38親等の隔たり

衆院議院運営委員会は10日、皇族数確保を目的とする皇室典範改正案を採決し、与野党の賛成多数で可決した。審議では、養子となった旧宮家男子の子孫の皇位継承権や、女性皇族の配偶者・子の身分などが焦点となり、与野党が激しい論戦を交わした。

旧11宮家との血縁距離、宮内庁が初めて具体的数値を提示

共産党の塩川鉄也氏は、旧11宮家と今上天皇の血縁関係について「何親等の隔たりがあるのか」と質問。宮内庁の緒方禎己次長は「旧11宮家は伏見宮の系統で、1428年に伏見宮の彦仁王(後の後花園天皇)が皇位を継承した際に系譜が枝分かれした」と説明。「昭和22年に皇籍離脱された皇族男子の方々は、今上陛下とは36親等から38親等の隔たりがある」と答弁した。

この発言は、旧宮家と天皇陛下の血縁が約600年前の室町時代までさかのぼる遠い関係であることを示し、養子縁組による皇族数確保策の根拠をめぐる議論に一石を投じた。

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養子の子孫の皇位継承権、政府は現行法の解釈と主張

自民党の小林鷹之氏は「養子縁組後に生まれた男子は皇位継承資格を有するものとすることが適当」と主張。木原稔官房長官は「正副議長のとりまとめに養子の子に関する記載がないため、皇室典範の規定に基づく取り扱いになる。男子の場合は皇位継承資格を有する」と答えた。

中道改革連合の中野洋昌氏は「皇位継承の問題は議論の対象とされてこなかった。立法府の総意を今回の改正案がはみ出している」と批判。木原氏は「養子の子孫については、とりまとめに記載がないことから現行の皇室典範に基づいて判断する。創設的な規定ではなく、将来の検討を先取りしたり縛ったりする趣旨ではない」と反論した。

女性皇族の配偶者・子は皇族にならず、警備対象外

中野氏は、皇籍を離脱しない女性皇族の配偶者と子の身分について「戸籍法を適用し、皇族にはならないという読み方だと理解している」と指摘。木原氏は「とりまとめに記載がないので、現行の皇室典範の規定が適用され、配偶者と子は皇族とならない。将来の検討を先取りする趣旨ではない」と述べた。

国民民主党の玉木雄一郎氏は「過去の歴史から配偶者や子どもに皇族の身分が与えられなかったが、家族としての一体性は重要」とし、警備の対象となるか質問。警察庁警備局警備運用部長は「改正案によると配偶者とその子は皇族にならず、皇宮警察による護衛の対象とはならない」と答えた。

改正案の目的は皇族数確保、男系継承維持との見方に政府は否定

参政党の石川勝氏は「旧宮家の嫡男系嫡出男子を養子にすることは、将来にわたり男系男子による皇位継承を維持することが目的か」と質問。木原氏は「2021年の政府有識者会議報告では、皇位継承の問題と切り離して皇族数の確保を図ることが喫緊の課題と認識され、女性皇族の身分保持制度案と皇族の養子制度案の2案が示された。政府は皇族数の確保を目的として法案を作成した」と説明した。

共産党の塩川鉄也氏は「官房長官は提案理由を皇族数の確保と説明したが、実際の法案は養子の子孫が天皇になれると規定している。全体会議では一切説明がなかった。国民と国会を愚弄するやり方だ」と批判。木原氏は「6月25日の全体会議で政府側から、改正以外の部分は現在の皇室典範の解釈通りになる旨を説明している」と反論した。

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女性天皇の可能性、政府は男系継承の伝統を強調

塩川氏は「憲法第1条は天皇を日本国民統合の象徴としている。多様な性の人々で構成される国民の象徴である天皇を男性に限定する合理的理由はない。なぜ女性天皇ではダメで、男系男子にこだわるのか」と質問。木原氏は「安定的な皇位継承の維持は国家の基本に関わる極めて重要な事柄。現行皇室典範第1条では、男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえ、皇位は皇統に属する男系の男子がこれを継承すると規定されている」と答えた。

改正案はこの後、衆院本会議で可決され、参院に送付される見通し。政府は今国会中の成立を目指している。