アニメーション映画監督・細田守の展覧会「細田守の原点/展」が、東京・京橋で開催中だ。「時をかける少女」の公開20周年を記念したもので、代表作の原画や絵コンテなど約300点の制作資料が展示されている。会場では、細田監督が制作の舞台裏や展示に込めた思いを語った。
10代の成長と家族の絆を描く細田作品の世界
「サマーウォーズ」「竜とそばかすの姫」など、10代が活躍する作品で知られる細田監督。展覧会では、「時をかける少女」「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」を中心に、原画や絵コンテが展示されている。絵コンテには、演出に関するスタッフへの指示やセリフが細かく書き込まれており、名シーンの誕生過程を想像できる。
富山県出身の細田監督、創作の原点を公開
細田監督は富山県出身。会場には、中学生の頃に8ミリフィルムで制作したアニメや、金沢美術工芸大学在学中の油絵やデッサンなど、創作の原点を示す資料も多数展示されている。監督は大学で油絵を学んでおり、アニメ制作ではなく油絵を専攻していたことを初めて知る来場者も多い。
国によって異なる人気作品
細田監督へのインタビューでは、作品の人気が国によって異なることが明らかになった。監督によると、「おおかみこどもの雨と雪」はフランスで特に愛されており、アメリカでは2019年にアカデミー賞長編アニメーション賞の候補となった「未来のミライ」が広く知られている。日本では、「バケモノの子」や「サマーウォーズ」が人気だという。
「サマーウォーズ」の舞台設定の秘密
「サマーウォーズ」について、細田監督は、インターネットの仮想世界を舞台にした物語をなぜ都会ではなく地方で描いたのかを説明。「ニューヨークやパリといった大都市の人よりも、地方に住む人がインターネットの世界で戦う方が面白いお話になると思った。田舎には田舎ならではの戦い方がある」と語る。この発想から、高校生の健二が長野県の陣内家の一族と協力して戦うストーリーが生まれた。
「やってみたい」という気持ちが原動力
細田監督は、10代からアニメ制作の道を意識していたが、大学で油絵を学んだことが表現の幅を広げたと振り返る。「油絵でなく経済でも法律でもいい。全く違う分野の勉強をした人がアニメを作ると、新しい切り口の作品ができるかもしれない」と述べ、立派な機材がなくても「やってみたい」という気持ちがあれば誰でもアニメを作れると強調。「小学生や中高生が『作ってみたいな』『自分にもできるんじゃないか』と思ってくれたらとてもうれしい」と話した。



