人が集まるところに歌がある。カラオケを楽しめる場所の人口あたりの数を比べると、沖縄県が突出していたほか、通勤・通学圏との関係が見えた。キーワードは「県民性」と「人の流れ」だ。
都会で歌い、ベッドタウンでは歌わない?
朝日新聞は、著作権使用料を店舗から徴収する日本音楽著作権協会(JASRAC)のデータをもとに、カラオケ設備のある飲食店と、カラオケボックスのルーム数を都道府県ごとに合算。人口1千人あたりで割り出した。単位は「室」とした。
沖縄県が4.636室で、215人につき1室という計算になる。全国平均(1.985室)の2倍を超えた。
人気の観光地でもあり、カラオケを楽しめる飲食店が豊富だ。地元の結びつきが強く、人が集まれば自然と民謡を口ずさみ、踊りを楽しむ県民性もある。JASRACの小高正毅・那覇支部長は「未明までカラオケスナックを数軒回ってはしごする人たちが少なくない」と話す。
このほか、国内有数の繁華街がある東京都、北海道、大阪府、福岡県が、全国平均よりもおおむね2~3割やはり多い。一方で、神奈川、千葉、埼玉、奈良、滋賀の各県は2~3割少なかった。
「独立型の経済圏」背景に
これには通勤・通学圏とそのベッドタウンという関係性がありそうだ。全国カラオケ事業者協会の片岡史朗・専務理事は「東京や大阪に通勤・通学する人たちが友人や同僚と歌うのは自宅近くではなく、職場や学校の近くなのだろう」と話す。
実際、どんな時にカラオケに行くかについての協会の調査では「仲間と遊ぶ時に」「飲み会の2次会で」「会社・学校帰りに」と答えた人の割合が多かった。
そして最多の沖縄県に続いたのは宮崎県(3.091室)。同じく新幹線の空白地の大分県も7番目だった。片岡専務理事は、海と山に囲まれた高知県、本州北端の青森県、九州南端の鹿児島県も上位だったことを踏まえ、「地理や交通の事情から『独立型の経済圏』が築かれ、食や酒の文化も独自色がある。地元で飲んで歌う県民性が背景にあるのではないか」とみる。
カラオケが守る沖縄の文化
沖縄県民は、なぜカラオケを求めるのか。この理由を知りたくて、現地に向かった。
沖縄随一の歓楽街・那覇市松…この記事は有料記事です。残り1681文字



