政府は18日、在留外国人が日本語や社会規範を学ぶ「日本語・生活学習プログラム(仮称)」の創設に向け、有識者によるワーキンググループ(WG)の初会合を開き、本格的な検討を開始した。令和10年度にも試行する方針だ。
WGの委員は6人で、座長は日本総合研究所チェアマン・エメリタスの高橋進氏が務める。内閣府の鈴木隼人副大臣は冒頭のあいさつで「外国人との秩序ある共生を実現する観点から非常に重要な課題だ。実効性のあるプログラムを作り上げたい」と述べた。
2つのコース案と5つの論点
この日、政府側はプログラムの基本的な構成として、来日前後の外国人を対象としたオンライン講座中心の「Aコース(仮称)」と、永住許可や帰化に向けた中長期在留者向けで対面講座中心の「Bコース(同)」の2つのコースを設けることなど、検討に関わる5つの論点を提示した。委員らがそれぞれ意見を述べた。
政府側は検討の主な論点として、プログラムの構成や学習内容に加え、受け入れ企業の役割や国と自治体の連携、在留審査への反映のあり方の5点を列挙。永住許可や長期の在留申請では、プログラム受講を許可の条件とする方向で検討を求めた。
外国人の社会統合施策の転換
これまで外国人の「社会統合」施策は自治体や地域に負担がかかってきたことから、国が責任を持って「秩序ある共生」に向けた社会インフラの構築を目指す。
松島みどり首相補佐官(外国人政策担当)は初会合で「これまで来日してきた外国人へ日本語を教えるのは自治体任せだった。(地域住民と)摩擦が起きるのも、日本語が分からない外国人が多かった」と指摘し、「やはり家族も含めて日本語をきちんと身につけてもらう」とプログラムの狙いを説明した。
海外の事例と費用負担
外国人住民の社会への適応を促す体系的な学習制度は「社会統合プログラム」と呼ばれ、移民受け入れの進む欧米などで実施されている。だが、誰が受講費用を負担するかなど検討すべき課題は多岐にわたる。
移民を多く抱えるドイツでは、ドイツ語を話さない外国人に言語や社会知識を教える「社会統合コース」の受講を義務づけ、費用は連邦政府と外国人が折半で負担。だが、国家予算を投入することに批判が絶えないという。韓国の社会統合プログラムは昨年、一部が受講者負担となった。



