2026年7月10日夜、国会の会期末を控え、国会議事堂前で「国会前アクション めちゃくちゃな政治に抗議します」と題した大規模デモが行われた。主催者発表によると、参加者は約2万7千人に上り、ペンライトやプラカードを手に「改憲反対」「高市総理はめちゃくちゃするな」などのスローガンを掲げ、政権与党の姿勢を強く批判した。
皇室典範改正案と国旗損壊処罰法案への抗議
同日、衆議院本会議では皇室典範改正案が自民党、日本維新の会などの与野党の賛成多数で可決された。この改正案は男系男子による皇位継承を強く反映した内容であり、「立法府の総意」の枠を超えるとの批判がある。また、表現の自由を侵害するとして専門家から反対の声が根強い国旗損壊処罰法案も、6月30日に衆院を通過している。デモ参加者は、政権与党が「数の力」で政策を押し進める姿勢に懸念を示した。
デモに参加した東京都内の女性(28)は、皇室典範改正案の衆院通過について「女性の選択肢を狭めている。同様の発想が別の政策にも及ぶのではないかと心配だ」と述べた。一緒に参加した別の女性(27)は「賛否が分かれる法案で議論が尽くされていない。抗議する人間の頭数を増やすために来た」と語った。
主催団体とデモの背景
国会前デモは、20~40代の市民らで構成する「WE WANT OUR FUTURE」が主催した。2月の衆院選で自民党が圧勝し、高市早苗首相が改憲に意欲を示したことへの危機感から始まり、今回で6回目となる。主催者発表で2万7千人が参加し、音楽とコールが特徴的なデモは「レイヴのような楽しさ」と評されることもある。
デモ参加者の一人で脚本家の梶原阿貴さんは「デモ友9人で参加しました。『WE WANT OUR FUTURE』主催のデモはなんといっても、音楽とコールがかっこいいので、レイヴに来てるみたいで楽しいです。夏だし、フェス感覚で参加してみても良いかもしれません」とコメントしている。
全国への広がり
全国のデモ実施状況をまとめたサイト「デモカレンダー」によると、10日は少なくとも44都道府県136カ所でデモが企画された。全国各地で同時多発的に行われた抗議行動は、政権与党の政策に対する市民の不満の大きさを示している。
今回のデモは、皇室典範改正案や国旗損壊処罰法案への反対だけでなく、政治のあり方そのものに対する幅広い批判を集めた。参加者からは「議論の不足」や「数の力による強行採決」への懸念が多く聞かれ、今後の政治情勢に影響を与える可能性がある。



