国会キャップの安倍龍太郎氏が、皇室典範改正案を巡る自民党ベテラン議員の本音に迫った。政府が提出した改正案は、旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎え、その子が男性であれば皇位継承権を与える内容だ。しかし、党内の保守派と目される議員からは、意外な本音が漏れた。
ドアが閉まった後に語られた本音
「本当にそう思いますか」。秘書がドアを閉めたタイミングで、自民党のベテラン議員に安倍氏が問いかけると、しばらくの沈黙の後、「私は女性天皇ができればいいと思っているんだけどね……」との言葉が返ってきた。この議員は党内でも保守派と見られており、安倍氏は意外な思いで相づちを打ったという。
議員はさらに、「伝統といいながらおかしいものはいっぱいある。相撲の土俵にだって女性は上がれない。何の合理性もないじゃない」と続け、声のトーンを抑えながら「男系男子とか、男系女子とか言われたって普通の人は何のことか分からない。そんなもので人を区別するなんて不平等だ」と述べた。その上で、「本音を言った途端、票が消える」と選挙への影響を懸念した。
朝日新聞の世論調査と専門家の見解
朝日新聞が5月中旬に行った世論調査では、女性天皇を容認する声が多数を占めている。名古屋大学の河西秀哉教授(皇室・近現代史)は、今回の改正案について「皇族数確保や安定的な皇位継承、象徴天皇制の将来像ではなく、自身の選挙のため、熱心な層をつなぎ止めるための方策だった」と指摘する。
政府は今国会での成立を目指しており、6月5日の参院予算委員会では高市早苗首相が答弁に立った。しかし、党内からも疑問の声が上がる中、議論はなお続いている。



