「副首都=大阪」の落とし穴、大阪人のコミュニケーション文化から読み解く
「副首都=大阪」の落とし穴、大阪人のコミュニケーション文化から

副首都構想関連法案の議論が「副首都=大阪」という前提で進んでいる感があるが、政治の駆け引きや議席数だけでは超えられない壁も存在する。災害リスクという一点に絞れば、大阪に対しても岡山が「避難先」としての独自の強みを秘めているのは見逃せない。

大阪一択の背景

それでも大阪一択の流れは根強い。その背景には、大阪都構想や副首都構想を長年推進してきた大阪維新の会(大阪発の地域政党)の存在、「大大阪」の再興を期待する地域の声、大阪・関西の成長拠点化を求める関西経済界の後押しがある。なお、関西経済界は副首都機能の強化には前向きであるものの、具体的な制度設計や財源面については慎重な姿勢を示している。

副首都をめぐる議論が問うているもの

この経路依存性から抜け出すには、これまでの「当たり前」を疑い、不要になったルールを段階的にやめていく意識改革から手をつけなくてはならない。国家の危機管理において都市の機能を分散・配置していく議論も、この柔軟な発想から始まる。

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たとえ時速500キロのリニアが東京・名古屋・大阪を結び、三大都市圏の一体化が進んだとしても、それだけで有事の安全が保証されるわけではない。これまでの大都市中心の枠組みから脱却し、激甚災害という現実に対して国家の基盤をどう維持していくかが副首都実現の大前提である。再開発で立派な箱モノが並び立っても、街が水没すれば水の泡だ。

参議院での議論はきょう大詰めを迎える。既定路線を確認するだけの調整で終わるのか、それとも「本当に国民の生命と経済活動を守れる拠点はどこか」という原点に立ち返る機会とするのか。副首都をめぐる議論は、日本が危機に向き合う際の意思決定の質そのものを問うている。

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