イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相がインタビューで英国をあざけって「ブリテン・イスラム共和国」と呼んだことに対し、英政府は14日、「断じて受け入れられない」と強く反発した。
発言の内容と背景
右派のネタニヤフ氏は13日、軍が運営するラジオ局のポッドキャスト番組のインタビューで、英国のイスラエルに対する姿勢を批判した。これは、移民の流入によって英国の一部がイスラム法(シャリア)に基づいて統治されているという根拠のない主張を展開する欧米の極右の政治家やコメンテーターの言説をなぞるものだ。こうした言説はイスラモフォビア(イスラム恐怖症)だと批判されている。
ネタニヤフ氏は同番組で、ウィンストン・チャーチル元英首相の同名の孫が1967年の第3次中東戦争時にイスラエル支持を表明したエピソードに触れ、「今、そのような人物がいるだろうか?」と問い掛けた。さらに「『核兵器を保有する最初のイスラム共和国は、ブリテン・イスラム共和国になるだろう』と誰かが言っていた」とほほ笑みながら語り、「われわれはイランというもう一つの核兵器を保有するイスラム共和国がここ中東に誕生することがないようにしている」と付け加えた。
英政府の反応とイスラエル側の釈明
英政府報道官は14日、「これらの発言は断じて受け入れられない。われわれはイスラエル政府に対して懸念を伝えた」と述べた。これに対しイスラエル政府のデビッド・メンサー報道官は14日朝、英BBCラジオに対し、J・D・バンス米副大統領が過去に同様の発言をしていたことに触れ、「彼(ネタニヤフ氏)は米副大統領の発言を引用したにすぎない」と釈明した。
バンス氏は2024年のミュンヘン安全保障会議で、「英国は核兵器を獲得する最初の真のイスラム国家になり得る」と発言し、英政府高官たちから強い反発を受けた。
英国とイスラエルの関係悪化
英国は昨年、カナダ、オーストラリア、ポルトガルと共にパレスチナを国家承認し、イスラエルの激しい怒りを買った。今年7月に就任したアンディ・バーナム英首相は、就任前の英紙ガーディアンとのインタビューで、キア・スターマー前首相がイスラエルに対してパレスチナ自治区ガザ地区での軍事作戦を阻止するために十分な圧力をかけなかったと批判。イスラエルが1967年から占領しているパレスチナ自治区ヨルダン川西岸の入植地で生産された製品の輸入禁止を検討すると述べた。
また、英国は通常、米国と緊密に連携するが、今年2月に米イスラエルが開始した対イラン軍事作戦からは距離を置いている。



