核の10大リスク基に政策提言 ひろしまラウンドテーブル閉幕
核の10大リスク基に政策提言 ひろしまラウンドテーブル閉幕

核軍縮や軍備管理を国内外の専門家が議論する「ひろしまラウンドテーブル」(広島県など主催)が2、3の両日、広島市内で開かれた。欧米やアジアなど17カ国55人の専門家へのアンケートを基に初めてまとめた「核の10大リスク」をベースに議論し、リスクの低減に向けた政策提言をまとめた。

地域の懸念や原子力施設への攻撃など10のリスクを検討

専門家たちはアンケートに基づき、ロシア・ウクライナ、朝鮮半島、イラン/中東、米中間の緊張、インド・パキスタンといった地域の懸念や、原子力施設への攻撃、激化する核軍拡競争など、今後1年の10のリスクについて検討した。議論では、これらのリスクが互いを増幅しあう懸念も強調された。

核兵器禁止条約と核抑止をめぐって国際社会の分断が深まる中、立場の違いに関わらず核のリスクを低減して核軍縮を進める上で、どのような基本線を確立すればいいのかを話し合った。

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横断的原則と優先すべき政策を提示

その結果、横断的原則として「武力紛争を防止する」「核兵器の不使用を基本原則として再確認する」「リスクと責任を可視化する」など五つを挙げた。そして、優先すべき政策として、AI(人工知能)の利用が拡大する中での「核兵器の使用とエスカレーション(事態の深刻化)の防止」、原子力施設への攻撃や核実験再開を禁じる「ルール・規範・制度の堅持」、軍縮の基本合意を再構築する「歯止めなき核競争の防止」の三つを提示した。

議事進行を務めた秋山信将・日本国際問題研究所軍縮・科学技術センター所長(一橋大教授)は会議後の記者会見で「核軍縮をめぐる環境が悪化する中で、リスクが可視化された上で議論するのは重みがあると思う。それを広島から発信できたのは有意義だった」と述べた。

広島県の横田美香知事は「政策提言のベースにあるのは、核兵器が決して使われてはならないことと、核兵器の使用に勝利はないということ。それをしっかり発信したい」と強調した。

17カ国から専門家15人が参加

ラウンドテーブルは、広島県と一般社団法人「へいわ創造機構ひろしま(HOPe)」が主催。2013年に始まった。今回は日本、フランス、韓国、米国、インド、ロシアなどの専門家15人が参加した。今春、米ニューヨークで開かれた核不拡散条約(NPT)再検討会議で議長を務めたベトナムのビエット国連大使や、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)のカリム・ハガグ所長(オンライン参加)らが含まれている。

今後1年の核の10大リスクは、ロシア・ウクライナ/ロシア・NATO、朝鮮半島/北朝鮮、イラン/中東、原子力施設の攻撃・事故、安全性、核実験再開、偶発的エスカレーション、新興技術など、核拡散とNPT体制弱体化、米国・中国/台湾/日本、核軍拡競争と核戦力増強、インド・パキスタンとなっている。

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