福岡県田川市長選は12日、投開票され、セクハラ問題で辞職した前職の村上卓哉氏(55)が落選した。新人で元学習塾代表の浦野仁氏(31)が初当選を果たし、有権者は前職に「ノー」を突きつけた。
妻がおわびも支持回復できず
村上氏は2023年4月の前回市長選で、3選を目指した二場公人氏を破り初当選。しかし、2025年2月にセクハラ問題が発覚。村上氏は「不倫関係だった」と主張したが、職員側は上下関係に基づく「強いられた同意」だったと訴えた。市の第三者調査委員会は2026年5月、村上氏の4つの行為について「セクハラに該当すると判断せざるを得ない」と結論づけ、村上氏は辞職に追い込まれた。
出直し選挙では、村上氏の妻が街頭でおわびする場面もあったが、支持を取り戻すには至らなかった。村上氏は落選後、支援者を前に「私の力不足、そして市民の皆様へ与えた不信感、失望、こういったものがこの結果になったと受け止めております」と述べた。
4候補の争い、浦野氏が当選
市長選は、村上氏のほか、元職の二場公人氏(69)、新人で元県議会副議長の佐々木允氏(45)、浦野氏の無所属4人で争われた。確定得票は、浦野8345票、二場4637票、村上4232票、佐々木3399票。浦野氏が約3700票差で村上氏を引き離した。
前回選挙では村上氏が二場氏に約4千票差をつけて勝利したが、セクハラ問題で辞職から3年余りで再び市長選が行われ、結果は大きく変わった。
市民の判断は厳しいものに
セクハラ問題を巡り、市民の間では「市長としての立場を利用した行為は許せない」との声が多く聞かれた。村上氏は辞職後も出直し選挙への出馬を表明したが、有権者の信頼回復は難しく、得票は前回から約半減した。
浦野氏は選挙戦で「クリーンな市政」を掲げ、セクハラ問題を抱える村上氏との対決姿勢を鮮明にした。当選後、浦野氏は「市民の声を聞き、信頼される市政を目指す」と述べた。
田川市は福岡県の筑豊地域に位置し、人口約4万8千人。今回の選挙結果は、セクハラ問題に対する有権者の厳しい姿勢を反映したものとなった。



