日本人のミサイル認識は甘い?現代兵器の恐怖と政府の思惑
日本人のミサイル認識は甘い?現代兵器の恐怖

戦史・紛争史研究家の山崎雅弘氏は、日本人のミサイルに対する認識が甘く、政府の防衛政策にも問題があると指摘する。本稿は、山崎氏の著書『戦争を甘く見る空気 1930年代と似た道を進む現代日本』から一部を抜粋し、現代のミサイル戦争の実態と、日本の備えの実情を解説する。

日本人はミサイルの威力を過小評価している

山崎氏は、国民が安全保障政策を適切に評価するには、戦争や紛争に関する基本的知識が必要だと述べる。しかし、現代の日本人はその知識をアップデートできていないという。特にミサイルの威力に対する認識は、実際の恐ろしさを正しく理解しておらず、甘く見ている傾向があると警鐘を鳴らす。

2017年3月17日、日本政府は秋田県および男鹿市と共同で、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を実施した。これは、前年2月以降、北朝鮮が繰り返し日本近海に向けて発射した弾道ミサイルへの対処措置として行われた。しかし、その内容は住民の生命を守る目的に照らして極めて貧弱で、実際の効果は疑わしいものだったと山崎氏は批判する。

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現代ミサイルの本当の恐怖

現代のミサイルは音速を超えて飛行し、着弾までわずか数分しかない。Jアラートが鳴ってからしゃがんで頭を抱えるだけの訓練では、実際の攻撃には全く対応できないと山崎氏は指摘する。ミサイルが着弾した際の破壊力は凄まじく、コンクリート製の建物も容易に破壊され、広範囲に被害が及ぶ。

山崎氏は、政府が戦争を「甘く見る」空気を意図的に作り出していると主張する。その一例として、局所的な「戦闘」における戦果を誇張し、戦争全体の悲惨さを隠蔽していると批判する。こうした情報操作により、国民は戦争のリスクを正しく認識できず、防衛政策への理解も歪められているという。

政府の思惑と今後の課題

山崎氏は、政府が国民に戦争の恐怖を過小評価させることで、軍事力の増強や憲法改正への抵抗を減らそうとしている可能性を指摘する。しかし、実際のミサイル攻撃は一瞬で甚大な被害をもたらすため、現行の避難訓練では命を守ることはできない。

北朝鮮のミサイル発射やウクライナ侵攻が報じられる中、日本の防衛意識はほとんど刷新されていない。Jアラートが鳴り、しゃがんで頭を抱えるだけの訓練に漂う違和感は、国民の安全を真剣に考えていない証拠だと山崎氏は結論づける。

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