ロシア最高裁は10日、9月に予定される下院選から、唯一の反戦政党「ヤブロコ」を除外する決定を下した。政権寄りの民族主義政党がヤブロコの選挙参加を禁じるよう求めていた訴訟で、最高裁がこれを認めた形だ。
この判決により、約4年半にわたり続くウクライナ侵攻に反対する有権者は、投票用紙から最後の選択肢を失うことになる。反政権派の多くが収監、亡命、あるいは死亡する中、ヤブロコはロシア国内で活動を続ける唯一のリベラル政党だった。
支持者から抗議の声
判決後、裁判所の外にはヤブロコを支持する若者ら約100人が集まり、「恥を知れ! 恥を知れ!」と抗議した。閉廷後、党首のニコライ・ルイバコフ氏は支持者を前に演説し、この決定を不服として争う考えを示した。
ルイバコフ氏は「私たちの前には長い道のりが控えており、『死を止め、平和を取り戻す』という大きく重要な課題がある」「私たちのあらゆる行動は、そのためにささげられるべきだ」と述べた。
国外の反政府活動家も支持
ヤブロコは、ロシア北極圏の刑務所で死亡した反政府活動家アレクセイ・ナワリヌイ氏の妻ユリア・ナワリナヤ氏を含む、国外に逃れた複数の反政府活動家からも支持を受けている。なお、ナワリナヤ氏とナワリヌイ氏はいずれもロシア政府から「過激主義者」に指定されている。
判決前、ヤブロコの支持者エフゲニアさん(22)はAFPの取材に対し、政府に対して「世界の現状に私たちが満足していないことを示すため」にヤブロコに投票するつもりだと語っていた。また、ロシア政府によるウクライナ侵攻の公式名称を用いながら、「この『特別軍事作戦』が最終的に終わるよう、何らかの和平合意に達することを強く望んでいる」と付け加えた。
支持率は3%、議席獲得の壁
今年実施された世論調査では、ロシア語で「リンゴ」を意味するヤブロコの支持率は3%にとどまり、比例代表で議席を得るために必要な5%のボーダーラインを下回っていた。
1993年に親欧米派の公職者グループによって設立されたヤブロコは、ソ連崩壊後の数年間はある程度の成功を収めていた。しかし2003年以降、クレムリン(ロシア大統領府)が選挙への統制を強め、プーチン派の与党「統一ロシア」が下院選で連戦連勝する中、ヤブロコは議席獲得に至っていない。
なお、独立系の世論調査によると、ロシア人の過半数は、ウクライナとの和平交渉を支持しているとされる。



