ドイツのエアコン普及率3%、教室内40℃でも扇風機禁止の理由
ドイツのエアコン普及率3%、教室内40℃でも扇風機禁止

先日、ドイツ・ミュンヘンの中心部マリエンプラッツ付近にある1450年創業の老舗バイエルン料理店Spöckmeierの前に、手書きの看板が設置されていた。「当店、エアコンあります」と書かれている。ドイツでエアコンを設置している店は多くなく、エアコンの存在が店のアピールポイントになるほどだ。

猛暑の中、エアコン普及率3%のドイツ

今夏、ヨーロッパは猛暑に見舞われている。フランスでは6月に最高気温43.8度を記録し、ドイツでも41.7度を記録した。しかし、エアコンの普及率はフランスで24%、ドイツに至っては3%、新築でもわずか4%だ。猛暑にもかかわらず、ドイツを含むヨーロッパには「エアコンなんかいらない」と主張する人々が一定数存在する。その理由は「エアコンが電気を使い、二酸化炭素(CO2)を排出するから」だ。一方で、飛行機による休暇旅行が大量のCO2を出すことに対して疑問を持つドイツ人はあまり見かけない。

教室内40℃、扇風機使用禁止の事例

先日、バーデン・ヴュルテンベルク州の公立校に勤める女性教師の体験が話題になった。連日教室の温度が40℃近くに達したため、熱中症を懸念した女性教師が扇風機を持参して設置した。ところが後日、州の管轄役所から学校に対し文書で「扇風機の使用をやめるように」との注意があった。文書には「教師や保護者が自身の判断で扇風機を教室に持ち込み使用することは労働災害防止の観点および不法行為法の面で問題であるため禁止されています」と記されていた。しかし教室の温度は40℃近くで、役所が代わりに扇風機を手配することもなかった。

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環境意識と伝統のジレンマ

ドイツでは「暑さに耐える」ことが美徳とされる風潮があり、エアコンや扇風機の使用を控える傾向が強い。しかし、気候変動による熱波の頻発で、従来の我慢を強いる方法が限界を迎えつつある。エアコンの普及が進まない背景には環境意識だけでなく、歴史的建造物の保護や電気代の高さなど複合的な要因がある。猛暑による死者が5000人を超えた年もある中、ドイツの「暑さ対策」が今後も通用するのか疑問視する声も出ている。

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