ロシアが欧米の先進的な一部思想に対抗する「ロシアの伝統的価値観」を認める人に滞在を認める通称「伝統的価値観ビザ(査証)」の発給数が少しずつ伸びている。欧米ではLGBT(性的少数者)への政策などを巡り権利擁護と表現の自由がぶつかるなど、価値観対立が激化。そうした状況から逃避する需要を取り込んでいるとみられるが、その先には危険な落とし穴も隠されている。
「冗談の一つも自由に言えない」
欧州主要国に住む男性は「冗談の一つも自由に言えない環境が耐えられないんだ」と打ち明ける。男性はロシアに長期滞在するため伝統的価値観ビザの申請を検討している。
男性が青春時代を過ごした1990年代、欧米ではLGBTを含むあらゆるタブーをちゃかすコメディー番組があふれていたが、権利意識の高まりもあり、そうした番組はネットは別にして激減した。男性は、いまや男女の違いを巡る冗談を口にしただけで「空気が凍り、自身の思想すら問い詰められる。もはや表現の自由は失われた」と感じている。
価値観対立の影響
男性が危惧するのは、欧州各国で特定の価値観を重視するあまりに表現や選択の自由がないがしろにされていることだという。



