エムバペへの人種差別発言にフランス大統領や国連まで激怒、移民社会の現実
エムバペ差別発言に大統領・国連も激怒

サッカーワールドカップ(W杯)フランス対パラグアイ戦の2日後、パラグアイのセレステ・アマリージャ上院議員が自身のX(旧Twitter)アカウントに、フランス代表主将キリアン・エムバペ選手に対する人種差別的な侮辱投稿を連投した。同議員は「このバカは文字の書き方さえ学んでいない」「母乳の代わりにココナッツを吸っている」「彼が話を聞いた中で最も教養のある存在はチンパンジーだ」などと発言。これに対しエムバペ選手は同日、「人種差別とヘイトを広げる人々を絶対に容認しない」と反論した。

フランス政府・国際組織が即座に支援表明

アマリージャ議員が投稿を削除した後も、エムバペ選手への支援の輪は瞬時に拡大した。フランス国内では、スポーツ省のマリナ・フェラーリ大臣がラジオで「我が国の自由・平等・友愛の理念を体現する主将を全面的に支援する」と表明。フランス国会上院外務委員会のセドリック・ペラン委員長はパラグアイ上院議長宛てに「人の尊厳の擁護とあらゆる差別への反対」を伝える書簡を送付した。

現職のエマニュエル・マクロン大統領も騒動当日、エムバペ選手の投稿を引用し「全面的に彼を支持する」とXに投稿。来年の大統領選の有力候補者たちの大半も差別発言を批判した。国外では国際サッカー連盟(FIFA)に加え、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が7月7日、エムバペ選手の写真とともに「我々の世界に人種差別の居場所はない」と投稿した。

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移民社会フランスの「切実な裏事情」

フランスでは移民が人口の約1割を占め、多民族・多文化社会が形成されている。人種差別は刑法で罰せられる重大な違法行為であり、特に国民的スポーツ選手への侮辱は社会の分断を象徴する事件として受け止められた。エムバペ選手はアフリカ系移民の子孫であり、フランス国民から「キャプテン」の愛称で敬愛される存在。彼に対する差別発言は、フランスの多様性と共和国の理念への攻撃とみなされた。

今回の騒動では、マクロン大統領への冷めた反応が少なかった点も特徴的だ。通常、政府の対応に批判的な国民も、エムバペ選手の擁護には一致団結。サッカー界を超えた社会全体の連帯が、フランスの移民社会の現実と人種差別への厳しい姿勢を浮き彫りにした。

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