南北軍事境界線で韓国軍将兵3人が負傷した地雷の爆発を巡り、韓国と北朝鮮は30日、互いを激しく非難した。李在明政権が北朝鮮との対話再開を模索している中、南北間の緊張が高まる恐れがある。
韓国軍が北朝鮮に謝罪要求、国連軍司令部も休戦協定違反と断定
韓国軍合同参謀本部の姜賢雨作戦本部長は30日、「将兵が北朝鮮軍の地雷によって深刻なけがを負う事件」とする声明を発表し、北側に謝罪を要求した。北朝鮮が2024年以降、軍事境界線付近で地雷を埋設したり、鉄条網を設置したりしている「要塞化」の作業も中止するよう求めた。
韓国軍とともに現地調査を行った在韓国連軍司令部も30日、軍事境界線の韓国側で北朝鮮製の対人地雷1発を発見したとの調査結果を公表し、「朝鮮戦争の休戦協定違反」と断定した。
金与正氏は「明白な自作自演」と否定、過去にも類似の事件
北朝鮮の朝鮮中央通信は同日、金与正朝鮮労働党総務部長の談話を報じた。与正氏は韓国による「明白な自作自演」として、関与を否定した。
南北軍事境界線の韓国側では2015年にも地雷が爆発し、韓国軍兵士2人が負傷した。韓国軍は北朝鮮が地雷を埋設したとして、軍事境界線付近で拡声機を使って北朝鮮の体制批判を行う宣伝放送を始めた。当時は保守系の朴槿恵政権下だった。
李在明政権は慎重な対応、米朝対話を南北対話につなげる思惑も
一方、左派系の李政権は、南北対話の再開を目指し、北朝鮮に融和的な政策をとる。李氏は大統領就任から間もなく、宣伝放送のための拡声機を撤去した。李氏は、韓国軍が「北朝鮮が埋めた地雷である可能性が高い」とする中間調査結果を発表した翌日の29日の国務会議(閣議)でも、北朝鮮を批判しなかった。30日には今回の爆発で負傷した兵士らを慰労したが、北朝鮮に関する言及はなかった。
米国のトランプ大統領が意欲を示す米朝対話の再開を南北対話につなげたい思惑もあり、李氏は北朝鮮を刺激しないよう慎重に対応を見極めるとみられる。