アメリカとイランの間で戦闘終結に向けた覚書が締結されてから1カ月余りが過ぎた。当初期待された和平へのシナリオは崩れ、武力攻撃の応酬が続いている。さらにイエメンの親イラン武装組織フーシ派がホルムズ海峡の代替ルートとして重要なバブ・エル・マンデブ海峡の封鎖を宣言するなど、事態は混迷を深めている。
覚書を反故にした革命防衛隊
日本エネルギー経済研究所・中東研究センター主任研究員の遠藤健太郎氏は、6月14日に成立した覚書について「イランにとってかなり有利な内容だった」と指摘する。このため多くの人はイランが覚書に従って交渉を進めると予想したが、実際にはイラン側が覚書を反故にする動きを見せている。
遠藤氏は「和平協議に重要な当事者が入っていない」と述べ、事態収拾の難しさを示唆している。
革命防衛隊の巨大な経済ネットワーク
革命防衛隊はイラン国内で巨大な経済ネットワークを持ち、その利害が和平交渉にも影響を与えているとみられる。覚書の内容に不満を持つのはアメリカや交渉から排除されたイスラエル側だと思われていたが、実際にはイラン内部の力学が和平を阻んでいる。
今後の展開を占う上で、革命防衛隊の思惑と行動が鍵を握ると遠藤氏は分析している。



