香港民主派に有罪判決、一国二制度への蹂躙だと非難
香港民主派に有罪判決、一国二制度への蹂躙

香港の裁判所は、天安門事件の犠牲者追悼集会を主催してきた民主派団体の李卓人元主席らに対し、香港国家安全維持法(国安法)違反の罪で有罪判決を言い渡した。中国共産党の「一党独裁の終結」を訴えたことが国家政権の転覆を扇動したと断じた。

判決の内容と問題点

武力や暴力を用いるよう煽っておらず、批判的な政治的スローガンを掲げただけで有罪としたのは不当だ。中国共産党政権の支配下にある香港政府の言論弾圧を香港司法が追認するという異様さを示す判決であり、政治的自由を香港に認めた「一国二制度」への明らかな蹂躙で、容認できない。

李氏らの香港市民愛国民主運動支援連合会(支連会)は、天安門事件が起きた1989年6月4日の翌年から、毎年6月4日に香港のビクトリア公園で犠牲者を追悼するロウソク集会を主催し、弾圧の責任追及と真相究明を要求してきた。

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ロウソク集会の歴史と禁止

ロウソク集会は、香港が英国から中国に返還された97年以降も「一国二制度」の下で続いたが、2020年に国安法が施行されて言論・集会の自由が奪われると事実上禁止された。

判決は、李氏らがロウソク集会などで、支連会の綱領の一つである「一党独裁の終結」を訴えたことについて、中国憲法が保証する共産党の指導的地位を転覆・破壊する試みであり、党への敵意を煽ったとして国家政権転覆扇動罪と認定した。

天安門事件の隠蔽と国際社会への訴え

本来、断罪されるべきは天安門で非道な弾圧をおこない、今は事件を隠蔽しようとする中国共産党だろう。天安門事件は民主化を求めて北京・天安門広場などに集まった学生や市民を軍が武力鎮圧した事件だ。中国政府は死者319人とするが、少なすぎるとみられている。

中国政府は当時の民主化運動を「反革命暴乱」と非難する一方、事件の情報は隠し続けている。今回の公判で検察側は、この裁判が「民主と無関係」「政治的に敏感な案件を裁くものではない」と指摘した。裁判所も天安門事件への評価を避けた。だが、争点となった「一党独裁の終結」は事件と不可分の関係にある。裁判が事件への評価に踏み込まなかったこと自体が、事件の際立つ問題性の証左である。

国際社会は民主派への弾圧を座視してはならない。

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