インドネシアの中国傾斜に強い懸念、外交防衛協力の深化を憂慮
インドネシアの中国傾斜に強い懸念、外交防衛の協力深化

インドネシアが、外交防衛の分野で、中国との協力関係を深めている。8月に首都のジャカルタで両国の外務・防衛閣僚会合(2プラス2)を開いた。両国海軍は台湾東方沖で合同航行訓練を実施した。台湾は「地域の緊張をさらに高める」と中国を非難し、インドネシアには説明を求めた。

両国の協力内容と台湾問題

両国は2プラス2で、ミサイルやロケット、弾薬を共同生産する工場の建設を協議した。教育訓練のためにインドネシア軍の将校を中国に派遣することにもなった。中国外務省によると、インドネシアのスギオノ外相は中国の王毅外相との会談で台湾問題に関し、「中国の統一の大業を支持する」と述べたという。

伝統的な非同盟外交からの逸脱

インドネシアは民主主義の国で、伝統的に、特定の陣営に属さない非同盟・中立の全方位外交を掲げてきた。にもかかわらず、中国に傾斜しつつあることに強い懸念を覚える。インドネシアは日本やオーストラリアとも個別に2プラス2を開いてきた。米国とは4月に「主要防衛協力パートナーシップ」への格上げで合意した。インドネシア軍は8月末から自国領域内で米軍や日本の陸上自衛隊などとの演習を始めた。海上自衛隊とも同月、相模湾で共同訓練を実施した。

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地域安定への影響と日本の対応

そうだとしても、インドネシア軍が中国軍と台湾東方沖で合同航行訓練をしたり、「中国の統一の大業を支持する」と表明したりするのは行き過ぎで、大きな問題だ。中国の軍事的な冒険主義による台湾有事が取り沙汰され、それが日本有事に結びつくと懸念されているのをインドネシア政府が知らないはずがあるまい。伝統的な友好関係にある日本の安全保障をも脅かす軽率な行動は控えてほしい。中国は東・南シナ海や西太平洋で覇権拡大を画策している。それを許せば地域の安定が損なわれ、自国の自主独立にも悪影響が及ぶことをインドネシアは知るべきだ。インドネシアは東南アジア諸国連合(ASEAN)で最大の大国で、中東から日本へ原油を運ぶタンカーが通航する重要海峡を扼している。高市早苗政権は、一層の関係強化に努めてもらいたい。

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