若者に広がる反AI感情、米西海岸でデモや襲撃事件も
若者に広がる反AI感情、米西海岸でデモや襲撃事件も

人工知能(AI)に対する反感が、ブームの震源地であるアメリカ西海岸でうねりとなっている。若者たちの抗議デモに加え、AI企業幹部宅への襲撃事件まで発生した。AIは生活の利便性を高め、大富豪を生み出す一方で、雇用を奪うともされている。

若者約200人がデモ、知識労働者も参加

7月の週末、若者ら約200人が「まだ間に合う、AI開発を止めろ」と叫び、サンフランシスコをデモ行進した。オープンAI本社からアンソロピック本社、そしてグーグルのオフィス前を練り歩いた。参加者にはソフトウェアエンジニアやコンサルタントなど、いわゆる知識労働者が多かった。

参加者からは「AIを理解しないまま依存していることへの恐怖」や「AIに仕事を奪われる不安」といった声が聞かれた。定期的に行われるトランプ政権への抗議デモには高齢者が比較的多いが、AIデモの参加者はほとんどが若者だった。

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元AI研究者が「AI競争を止めろ」と訴え

デモを率いたのは元AI研究者のマイケル・トラッジさん(30)。「Stop the AI Race(AI競争を止めろ)」という組織を立ち上げ、AI開発競争の一時停止を求めている。

トラッジさんは、開発競争で敗れれば市場を独占されるという恐怖から、AI企業は「ブレーキの壊れた車」のように開発スピードを上げ続けていると指摘。安全性が確保できるまで開発競争を止めるべきだと訴える。「中国に敗れてしまうというが、核兵器のように相手側も停止し、それを検証できる仕組みを見つけ出す必要がある」と語る。

囲碁への熱中が転機に

トラッジさんはかつて囲碁に熱中し、日本でホームステイしながら日本棋院でも学んだ。転機は2016年、世界最強と称された韓国のプロ棋士イ・セドルがグーグルのAI「アルファ碁」に敗れたことだった。

「それを見て、囲碁はもうや…」とトラッジさんは語る。この出来事が彼の人生を変え、AI開発への疑念を深めるきっかけとなった。

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