レバノン政府は15日、同国南部に対するイスラエル軍による空爆で、子ども3人を含む11人が死亡したと発表した。6月に双方による合意が交わされて以降では、最も多くの犠牲者を出した空爆となる。
双方の主張と非難
レバノン指導部はこの空爆を強く非難した。一方でイスラエル軍は、親イラン武装組織ヒズボラによる攻撃への報復だと説明しており、標的の1人は家族を「人間の盾」として利用していたとされるヒズボラの司令官だと主張している。
両国は6月に米首都ワシントンで行われた会談で枠組み合意に達していたが、レバノンのジョセフ・アウン大統領は、15日の「国際法違反の攻撃は、交渉プロセスおよびこの合意を履行しようとする米国の努力に対する明確なメッセージだ」と述べた。
これに対し、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の報道官は今回の空爆について、「交渉を停滞させるものではなく、むしろ交渉を再始動させ、より真剣なものにするはずだ」と主張している。
空爆の詳細と被害
ヒズボラは、今回の攻撃には「相応の対応をとる」と表明し、レバノン当局に対し「直接交渉という屈辱的な道を放棄する」よう求めた。
レバノン国営放送のNNAは、アンサール村の住宅への空爆のほか、ナバティエ地域を見下ろす戦略的要衝であるアリアルタヒール丘陵を標的とした「一連の空爆」が行われたと報じている。
その後、南部の町デイルザハラニでも別の空爆があったと伝えられた。
レバノン保健省によると、アンサール村で「子供3人と女性2人を含む」7人が死亡し、アウン大統領はここで「家族全員」が命を落としたと述べた。デイルザハラニでは4人が死亡し、17人が負傷している。
イスラエル軍の説明と今後の交渉
イスラエル軍は、アンサール村への攻撃でヒズボラのエリート部隊「ラドワン部隊」のアリ・サミール・アルハジ・ハッサン司令官を殺害したと発表している。
同軍は司令官の家族が同席していたという報道を認めつつも、家族らは「攻撃の標的ではなかった」と主張。司令官が「正当な標的」であったと譲らず、彼が「家族を人間の盾として利用した」と非難している。
イスラエルとレバノンは9月上旬、イタリア・ローマで、米国の仲介による8回目の直接交渉を開催する予定となっている。



