経済ジャーナリストの浦上早苗氏(50歳)が、世界一周の旅の途中でサハラ砂漠の城塞都市アイト・ベン・ハッドゥを訪れ、英語ツアーに一人で参加した体験を綴った。ツアーで出会ったガイドは、かつて茨城県に9年間住み塗装工として働いていたという意外な経歴の持ち主だった。
世界遺産の城塞都市での出会い
バスが止まると、フード付きの長衣「ジェラバ」をまとった男性が乗り込んできて、「こんにちは!」と陽気に挨拶した。この地は「アイト・ベン・ハッドゥ」と呼ばれ、サハラ砂漠を越えるキャラバンの中継地として栄えた城塞都市で、1987年にユネスコ世界遺産に登録されている。
浦上氏は、説明されるまでこの場所の存在を知らなかったという。しかし、目の前の光景には見覚えがあり、『グラディエーター』や『ゲーム・オブ・スローンズ』など数々の有名作品のロケ地になっていると聞いて納得した。
ガイドの意外な過去
散策中、ガイドのモハメドに「フィリピン人?」と聞かれた浦上氏。日本人だと答えて「フィリピン人に見える?」と尋ねると、「英語ツアーに参加するアジア人はフィリピン人くらいだから」と返ってきた。
モハメドが気さくに話しかけるうちに、参加者の顔ぶれも分かってきた。イタリア人6人、ドイツ人2人、インドネシア人2人、インド人2人、フランス人、モロッコ人、イラン人、そして日本人が各1人。モロッコ人がなぜ英語ツアーに参加しているのかと思ったが、欧州育ちだという。
「私、30年前に茨城で9年間塗装工の仕事してたのよ」
ガイドのモハメドは、かつて茨城県に住み、9年間塗装工として働いていた経験を持つ。現在は故郷モロッコでガイドを務めているという。世界一周の旅の1カ月目の節目に、思いがけない国際交流が繰り広げられた。



