米大統領選挙を巡り、共和党のトランプ前大統領(78)が民主党のバイデン大統領(81)に対して支持率でリードを拡大している。複数の最新世論調査によると、トランプ氏の支持率はバイデン氏を平均で5ポイント以上上回り、特に激戦州での差が顕著だ。この結果を受け、民主党内部ではバイデン氏の選挙戦継続に疑問を呈する声が強まっており、撤退論が再燃している。
世論調査で明らかになった支持率の差
CNNが実施した全国世論調査(7月10~14日、登録有権者1,200人対象)では、トランプ氏が49%、バイデン氏が44%と、5ポイントの差がついた。これは前月の調査(トランプ氏47%、バイデン氏46%)からトランプ氏が3ポイント、バイデン氏が2ポイント変動した結果だ。また、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の調査(7月8~12日、有権者1,500人)でも、トランプ氏が48%、バイデン氏が43%と、5ポイント差が確認された。
特に重要なのは、選挙の行方を左右する激戦州での動きだ。ニューヨーク・タイムズとシエナ大学が7月初旬に実施した調査では、アリゾナ州でトランプ氏が49%、バイデン氏が42%、ジョージア州でトランプ氏50%、バイデン氏41%、ペンシルベニア州でトランプ氏48%、バイデン氏44%と、いずれもトランプ氏がリードしている。これらの州は2020年大統領選でバイデン氏が勝利したが、今回は逆転の可能性が高まっている。
民主党内で高まるバイデン撤退論
支持率低下を受け、民主党内ではバイデン氏の選挙戦撤退を求める声が表面化している。複数の民主党関係者によると、下院の民主党議員約20人が、バイデン氏に撤退を促す書簡を準備しているという。また、主要な献金者からも、バイデン氏の高齢と健康問題を懸念する声が上がっている。バイデン氏は81歳で、歴代最高齢の大統領であり、トランプ氏(78歳)よりも3歳年上だ。
民主党戦略家のジェームズ・カービル氏は「バイデン氏が選挙戦を続ければ、トランプ氏に勝利する可能性は極めて低い。党は今こそ決断すべき時だ」と述べ、撤退を強く求めた。一方、バイデン氏の選挙本部は「大統領は選挙戦を続ける決意であり、支持率は改善すると確信している」と声明を発表し、撤退論を否定している。
経済政策と有権者の評価
支持率差の背景には、有権者の経済政策への評価がある。CNNの調査では、経済政策を「信頼する」と答えた割合がトランプ氏で54%、バイデン氏で38%と、16ポイントの差がついた。また、インフレ対策についてもトランプ氏が50%、バイデン氏が36%と支持を集めた。バイデン政権下で物価上昇が続いていることが、有権者の不満につながっているとみられる。
さらに、移民問題ではトランプ氏が51%、バイデン氏が37%と差が広がった。南部国境での移民流入が続く中、強硬な移民政策を掲げるトランプ氏の姿勢が支持を集めている。一方、外交政策ではバイデン氏が46%、トランプ氏が44%と拮抗しており、ウクライナ支援やNATO強化などの実績が評価されている。
今後の選挙戦の展望
専門家は、今後の選挙戦の鍵を握るのは、無党派層の動向と討論会のパフォーマンスだと指摘する。無党派層の支持率は、トランプ氏が40%、バイデン氏が35%と、トランプ氏がややリードしている。しかし、まだ約25%の無党派層が態度を決めておらず、今後の動きが重要だ。
また、両陣営はすでに9月と10月の討論会日程を調整中だ。2020年の討論会では、バイデン氏がトランプ氏に対して優勢に立ったが、今回は高齢による体力面の懸念が指摘されている。バイデン氏の健康状態が討論会の結果に影響を与える可能性がある。
共和党戦略家のカール・ローブ氏は「トランプ氏は現在の勢いを維持できれば、勝利は確実だ。しかし、過去の選挙でも逆転はあり得る。バイデン陣営が何らかのサプライズを用意しているかもしれない」と分析している。



