原油代替調達、前年10割回復も米国依存が浮き彫りに 持続性に課題
原油代替調達、前年10割回復も米国依存が浮き彫りに

ホルムズ海峡の事実上の封鎖を受けた日本の原油代替調達について、2026年7月の輸入量は前年同月比で10割に達する見通しとなった。しかし、調達先の内訳を分析すると、米国産原油への依存度が急速に高まっている実態が明らかになった。米国内では輸出規制を求める声も上がっており、「脱ホルムズ」の持続性には課題が残る。

首相が成果を強調「全量をホルムズ外から調達」

高市早苗首相は6月中旬の関係閣僚会議で、「原油のホルムズ依存度が9割を超えていた我が国が、全量をホルムズ外から調達できるようになった」と強調し、危機対応の成果をアピールした。

経済産業省によると、原油輸入量は2025年の月平均と比較して、2026年4月は25%、5月は65%まで回復。6月には8割、7月には10割に達する見通しとなった。量的な確保という点では、短期間での立て直しが進んだと言える。

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米国産原油の比率が3%から33%に急拡大

一方で、調達先の構成は大きく変化した。従来は中東、特にホルムズ海峡経由の原油が9割以上を占めていたが、封鎖後は米国産原油へのシフトが加速。輸入原油に占める米国産の比率は、従来の約3%から33%に急拡大した。

この背景には、米国がシェールオイルの増産により世界最大の原油生産国となったことがある。しかし、米国内ではエネルギー安全保障の観点から輸出規制を求める動きもあり、安定供給にリスクを抱える。

コスト増加と持続可能性への懸念

代替調達に伴うコスト増も課題だ。米国産原油は中東産に比べて輸送距離が長く、運賃がかさむ。また、高値での購入を余儀なくされており、政府は補助金で需要を支えているが、財政負担が増大している。

出光興産の社長は「とにかく世界中から調達する」と述べ、調達先の多様化を進める方針を示している。しかし、アゼルバイジャンやUAEなどからの調達も始まっているものの、全体の輸入量をカバーするには至っていない。

今後の展望とリスク

専門家は、米国一辺倒の調達構造は地政学的リスクを抱えると指摘する。米国の政策変更や輸出規制が実施されれば、再び供給不足に陥る可能性がある。日本政府は、中東以外の産油国との関係強化や、エネルギー源の多角化を急ぐ必要に迫られている。

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