韓国・ソウルで反中デモが急増し、2025年には前年の5倍となる65件に達した。中国人と間違われた台湾人が焼酎瓶で殴られる事件も発生しており、現地ガイドは台湾人観光客のおよそ20人に1人が「台湾出身です」と示すバッジなどの“自衛アイテム”を持参していると話す。一方、日本では一部の中国人旅行者が台湾人を装っているという。
「台湾出身です」バッジが広がる背景
ソウル随一の繁華街・明洞では、台湾人観光客の胸元に小さなバッジが光る。台湾の国旗を持ったキャラクターの絵柄に、韓国語と英語で「台湾出身です(I'm from Taiwan)」と書かれた自衛グッズだ。中国人と間違われて嫌がらせの標的にならないためのものだという。
きっかけは、中国人団体観光客へのビザ免除措置だった。これに猛反発した韓国の極右団体がソウルでデモを繰り返し、数百人が「韓国は韓国人のもの」「中国人の船を止めろ」とプラカードを掲げた。韓国政府としても外交上、頭の痛い問題になっている。
ガイドの証言とSNSでの反響
台湾出身のガイド、リン・ヨンビンさんは明洞でツアー客を案内しており、およそ20人に1人がバッジやタグを持参しているという。昨年10月、ニューヨーク・タイムズの取材に対し、「中国人と間違われて嫌がらせを受けても、これを見せれば放免される」と語った。反中デモが起きている近くでは、中国語を話さないようにとも助言しているという。
バッジはSNSでも瞬く間に広がった。韓国英字日刊紙のコリア・ヘラルドは、台湾のユーザーがThreadsにバッジの写真を投稿し、大きな反響を呼んだと報じている。「見た目では区別がつかないから効果的だ」という声がある一方、「こんなバッジが必要なこと自体が恥ずかしい」という嘆きの声も同紙は取り上げている。中国人だと名乗るユーザーが「自分もバッジをつければ被害を避けられるか」と尋ねる書き込みもある。
日本でも見られる国籍をめぐる“自衛策”
海を隔てた日本でも、国籍をめぐる“自衛策”が目撃されている。ただしこちらは中国客側の行動だ。反中感情が高まるなか、一部の中国人旅行者が台湾のパスポートカバーで自国の旅券を覆い隠し、台湾人のふりをしているのだという。シンガポール・デジタルメディアのマザーシップが報じた。



