「いい子にしよったら、かならずむかえにいくけんね」。81年前、広島への米国による原爆投下で、4人姉妹の末っ子だったすえ子は家族と離れ離れになった。けがを負いながら1人でたどり着いた救護所や、その後引き取られた先では、近くの停留所でお母さんのこの言葉を信じて待ち続けた。そして今でもその思いは変わらない。
戦争孤児の証言を絵本化
戦争孤児として生き抜き、今月で90歳になる波田(はだ)スエ子さんの証言を絵本にしたのが『生きていてくれて、ありがとう』(あごうしゅうじ文、ひろみちいと絵、岩崎書店・1870円)だ。
スエ子さんは孫が米国人と結婚し、2人のひ孫がいる。「家族の顔をみられるんが、いちばんしあわせなんよ」と話すスエ子さんに、ひ孫たちは「生きててくれて、ありがとう」と伝えている。
平和をかみしめる
この絵本は、平和の尊さを伝えるとともに、家族の絆の大切さを描いている。旧満州からの引き揚げや、悲しいイヌとの別れも描かれており、戦争の記憶を次世代に伝える一冊となっている。



