7月末に起きた北アフリカのスペイン領セウタへの不法移民殺到について、モロッコの治安部隊が控えめに言っても「完全に容認」していたと指摘するスペイン警察の報告書に対し、複数のモロッコメディアが反発した。
不法移民7万人以上が流入
7月30~31日の2日間で、モロッコからセウタに不法移民7万人以上が流入した。この際の混乱で、防波堤の周りを泳いで不法入国しようとした多くの人々が水死するなど、多数の死者が出た。
AFPが確認したスペイン警察の報告書は、「モロッコ警察の対応は、控えめに言っても完全な容認だった」とするだけでなく、一部の警察官が不法移民を海から侵入するよう誘導するなど、殺到を助長したと指摘した。セウタに入った不法移民たちの証言によると、国境周辺のモロッコ警察の配置は「明らかに通常よりも小規模だった」。
サンチェス首相は批判を回避
スペインの左派ペドロ・サンチェス首相は、モロッコが不法移民の殺到を画策したことを示す「確たる証拠」はないと主張するなど、モロッコへの批判を一貫して避けている。
モロッコ当局は、流出したスペイン警察の報告書について公式なコメントを出していないが、複数のモロッコメディアが反発している。
メディア各社が反発
モロッコのニュースサイト「ヘスプレス」は5日、報告書について、物理的証拠が欠如している上に「明らかな矛盾点」が含まれているとして、「極めて根拠が薄い」と主張。スペイン国内の政治的・司法的な対立においてモロッコを「スケープゴート」にしようとしていると非難した。
ニュースサイト「ル・デスク」は4日、報告書におけるいくつかの事実誤認を指摘した上で「雑な仕事」と評した。ニュース誌「テルケル」は、報告書がモロッコによる「計画および実行」を直接的に非難しているとする一部メディアの報道は誤りであり、責任者とされるモロッコ高官の具体名を挙げてはいないと付け加えた。
ニュースサイト「メディアス24」は報告書の「容認」という表現について、それが単に「あからさまな切り抜き」にすぎない1枚の衛星画像のみに基づいていると指摘した。



