イスラエルのギドン・サール外相は20日、ヨルダン川西岸での大規模な入植地計画を停止するよう求めた英国政府を激しく非難した。英国は、西岸での1200戸以上の住宅建設計画に向けた入札が開始されたことを受けて、イスラエル側に計画の停止を求めていた。
英政府の対応とイスラエルの反発
英政府は19日、イスラエルによって昨年承認され、国際的な非難を浴びているユダヤ人入植地計画「E1」をめぐり、イスラエルの臨時代理大使を呼び出したことを明らかにした。国連の事務総長は当時、E1計画により「ヨルダン川西岸の北部と南部が分断されることになる」と指摘していた。
エド・ミリバンド英外相は19日、イスラエルによる計画推進を「受け入れがたい破壊的行為」であり、「2国家解決の実現可能性を危険にさらす」と述べた。また「イスラエル政府はE1計画を直ちに停止し、入札を撤回し、すべての入植地拡大を止めるべきだ」と訴えた。ミリバンド氏は、このメッセージをサール外相に直接伝え、イスラエルの臨時代理大使を外務省に呼び出したことを明らかにした。
これを受けてサール氏は20日、ミリバンド氏の声明と「その言葉の高圧的なトーン」を「きっぱりと」拒絶したと述べた。同氏はX(旧ツイッター)に「英国人がロンドンや英国全土に住む権利があるのと同様に、ユダヤ人にもイスラエルのすべての場所に住む権利がある」と投稿。さらに、英国は「パレスチナの過激主義を無視しながらイスラエルだけを非難している」とし、それが英国でのユダヤ人コミュニティに対する反ユダヤ的な攻撃を煽っていると主張した。
E1計画の詳細と今後の措置
サール氏は「イスラエルとの関係を損なうという英政府の決定は非常に残念だ」としながら、「イスラエルはその権利、利益、国民を守る」と明言した。この問題をめぐり英政府は19日、今後数週間のうちに「包括的な措置」を発表するとした。この措置には「違法な入植地拡大」に関与する人々への制裁も含まれるという。
イスラエルは昨年8月、エルサレムの東に位置する約12平方キロの「E1」として知られる地域での入植地計画を承認した。この計画は、エルサレムとイスラエルの入植地マアレ・アドミムの間にある政治的にセンシティブな地域に、約3400戸の住宅を建設することを目指すものだ。
イスラエルのNGO「ピース・ナウ」によると、今回の入札では、1200戸以上の住宅建設が対象とされており、18日に入札が開始されたという。入札期限は10月19日。これは、同月27日に予定されているイスラエルの総選挙の1週間前にあたる。同団体は、選挙前に建設の約束を進めようとしているとして政府を非難している。E1計画をめぐっては昨年、英仏を含む21か国が国際法違反だとしてイスラエルに撤回を求めている。



