第108回全国高校野球選手権大会第14日の20日、群馬県代表の健大高崎は準決勝で天理(奈良)を1-0で破り、初の決勝進出を決めた。一回に指名打者・佐藤の右前適時打で1点を先制。互いに得点がないまま終盤を迎え、八回には先発佐藤から北田、九回には石田翔に継投。九回2死満塁のピンチでエース石垣がマウンドに立ち、相手打線を抑えた。決勝は智弁和歌山(和歌山)と対戦する。
値千金の適時打
初めて迎えた準決勝の大舞台。必勝に燃えるチームは一回、2番石田雄が四球で出塁し、3番大岩の左安打で1死一、二塁に。続く指名打者の佐藤が「絶対に打ってやると思っていた」と値千金の右前適時打で先制に成功する。試合はその後、投手戦でもつれ合い、両チームとも得点できないまま終盤へ。
八回、堅い守備に守られながら力投してきた先発佐藤から北田に継投。1点リードを保ったまま迎えた九回には石田翔がマウンドに立ち、速球で挑むが、内野安打や四球で2死満塁のピンチを迎えてしまう。青柳博文監督が「継投の順番は事前に決めていた」という4人目で登場したのは最速148キロを誇るエース石垣。得意の変化球で最終打者を5球で抑え、念願の勝利を手にした。
決勝で戦う智弁和歌山は、全国高校野球選手権大会で3度の優勝経験がある強豪。石田主将は「チーム全体で挑まないと絶対に勝てない。執念を持って挑んでいく」と意気込んだ。(坂本隆浩)
とどろく声援
「はい、せーの!」と掛け声の合図をとどろかせ、アルプススタンドの一体感を作り上げている存在がいた。健大高崎の野球部応援統括官の3年・田原太平さん(17)だ。キャップの下に「応援統括官」と書かれた赤い鉢巻きを巻いて最前列で力強く応援。応援統括官の役職は、団長をサポートするために田原さんが自ら考案。ドラマ「TOKYO MER~走る緊急救命室~」の登場人物にあこがれ、その肩書の統括官を使うことを思いついたという。
2年の秋は右翼手、3年の春から一塁手として試合に出ていた。だが春の関東大会を最後に、肘を痛め、投げられなくなった。この夏は、応援統括官として「とにかく声を出して盛り上げることを意識している」。この日も「もっと声出せる!」と後ろを振り返り、スタンドの仲間を鼓舞する姿を見せた。1点差を守り、決勝進出が決まった瞬間は仲間と抱き合って喜んだ。「やってきたことを信じて、頑張ってくれ」と選手としての思いを仲間へ託した。(長谷川あかり)



