国際フランコフォニー機構(OIF)は今年、過去15年でフランス語話者が1.8倍に増え、3億9600万人(今年3月時点)に達したと発表した。アフリカの国々が押し上げた形で、2050年には話者の約9割はアフリカに暮らすとの予測もある。今後、フランス語はどのような言語になっていくのか。日本貿易振興機構アジア経済研究所の佐藤章・主任研究員に聞いた。
アフリカで広く使われるフランス語
アフリカでは西部、中央部を中心に、教育、行政、ビジネスなど公的な場でフランス語が広く使われている。学校の授業がフランス語で行われる国も多く、進学や就職にはフランス語能力が欠かせない。
一方で人々は、家庭や民族共同体で使う「民族語」、地域をまたいで通用するスワヒリ語などの「地域共通語」、そしてフランス語や英語といった旧宗主国の言語を使い分けて生活している。
植民地支配の歴史と独立後の継続
植民地時代にフランス語が導入され、独立後も多くの国がその制度を引き継いだ。フランスには影響力を維持したいという思惑があった。独立後の政府も、国家運営や国際支援を受けるうえで、フランス語を維持することに実利を見いだした。
このため、国民にとっても、教育や社会的上昇のためにフランス語が必要となった。フランス語は、植民地主義の遺産であると同時に、独立後の国家や社会が現実的な必要性から使用を続けてきたものだ。
冷戦期には、フランスとの関係が政権の安全保障や体制維持に利益をもたらした。ただ、その恩恵がどこまで一般市民に及んだのかには疑問もある。援助や行政支援には、新植民地主義的な側面も指摘されてきた。公用語から外す動きも出ている。



