西アフリカ・ベナンの主要都市コトヌーから車で約7時間。北部パラクーで土がむき出しになった悪路を車で進んでいくと、塀に「寺院」の文字が書かれた建物に行き着いた。入り口では、コブラや竜の彫り物がこちらをにらんでいる。中に入ると、白い布をまとった20人ほどの男女が広間で祈りをささげ、太鼓をたたいていた。
「700人以上の命を救った」
しばらくすると上半身が裸で、腰に布を巻いた男性が姿を見せた。「ようこそ。ここは王の集う場所だ」。そう話し、不敵な笑みを浮かべながら握手を求めてくる。男性は周囲から「トベ」と呼ばれていた。あいさつを交わしていると、トベを知る男性が小声で耳打ちしてきた。「トベは『呪術師』という意味だ。本名は別にあるが、決してそれで呼びかけてはいけない」
霊的な病気を治療
建物の中には、さまざまな装飾の施された神々がまつられている。トベは「こうした霊的存在から力を授かった」と力説し、医師が対処できない「霊的な病気」を治療できると断言した。そこにはがんなどのほか、不妊治療も含まれるという。トベは、海で女神や巨人に出会ったことで「力」を増し「普通の人には見えない物が見えるようになった」として、その体験を熱っぽく語り続けた。
サッカー選手も頼る
寺院を訪れる人々は、トベの足元に口づけをして忠誠を示していた。敵対する呪術師から攻撃も



