「2027年台湾有事」は誤解? 中国が台湾統一へ踏む2つのアクセル
「2027年台湾有事」は誤解? 中国が踏む2つのアクセル

2027年、中国は本当に台湾へ侵攻するのか。日本で広がった「台湾有事」が起きるとする2027年まで、あと半年を切った。しかし、目白大学准教授の五十嵐隆幸氏は、この見方には誤解があると指摘する。

「2027年侵攻説」の起源と拡散

2021年3月、当時の米インド太平洋軍司令官フィリップ・デービッドソン氏が米議会で「今後6年以内」に中国が台湾へ武力侵攻する可能性があるとの見方を示した。この発言をきっかけに、日本では「2027年侵攻説」が急速に広まり、「2027年台湾有事」という言葉が社会へ浸透した。

テレビや新聞では台湾海峡の危機が繰り返し報じられ、企業では事業継続計画(BCP)の見直しが進み、自治体では住民避難計画の策定も始まった。

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軍事力だけでは見えない安定のメカニズム

五十嵐氏は、『台湾有事――歴史・軍事・安定のメカニズム』(中公新書、2026年7月23日発売)において、台湾海峡問題を安全保障のレンズだけで見る危うさを指摘する。中国軍の軍事活動が活発化していることは事実だが、軍事力や地理的条件だけでは台湾海峡の情勢を理解できないという。

中国と台湾の対立は、単なる軍事問題でも領土問題でもない。国共内戦以来70年以上続く政治的な対立であり、日米も関わってきた歴史的な問題でもある。そして、これらの間には戦争を回避してきた安定のメカニズムも存在してきた。

問われるべきは見方そのもの

問題は「台湾有事」が起きるかどうかではない。台湾海峡をどう見るのか。いま問うべきは、その見方そのものである。安全保障はあくまで「台湾問題」の一部にすぎず、それだけで全てを語ることはできない。

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