「高金利」という言葉に惹かれて仕組み預金に飛びつくのは危険だ。ファイナンシャルプランナー(FP)で元証券マンの嶋田哲裕氏(L&F代表)は、自身の経験を踏まえ、仕組み預金の落とし穴を指摘する。
なぜ高金利でも不利なのか
仕組み預金は、預金でありながら株式や為替などの金融派生商品(デリバティブ)と連動している。市場が想定通りに動けば高い金利が得られるが、外れると金利が大幅に低下したり、場合によっては元本割れのリスクもある。嶋田氏は「素人が高金利に釣られて手を出すと、むしろ損をするケースが多い」と警鐘を鳴らす。
例えば、ある仕組み預金では「年率5%」という魅力的な金利が提示されていたが、実際には為替レートが一定範囲内に収まらないと金利が0.1%にまで低下する条件が付いていた。結果として、多くの投資家はほとんど利息を得られなかったという。
金融リテラシーが鍵
嶋田氏は「仕組み預金は複雑な条件を理解できる上級者向けの商品。金融リテラシーが十分でない人が手を出すべきではない」と強調する。同氏は、大和証券やBNPパリバ証券などで27年間証券会社に勤務した経験を持ち、2019年に独立。CFP(認定ファイナンシャルプランナー)や1級FP技能士の資格を持つ。
「金融機関の説明を鵜呑みにせず、自分で条件をしっかり確認することが重要」と嶋田氏はアドバイスする。特に、過去の実績やシミュレーションだけに頼らず、最悪のシナリオを想定した上で判断すべきだという。
賢い資産運用のポイント
では、安全に資産を増やすにはどうすれば良いのか。嶋田氏は「まずは普通預金や定期預金など、シンプルでリスクの低い商品から始めるべき」と提案。その上で、余裕資金があれば、投資信託や株式などに分散投資することを勧めている。
「仕組み預金は、一見お得に見えるが、その裏には複雑な条件とリスクが潜んでいる。特に高齢者や金融知識の乏しい人は、注意が必要だ」と嶋田氏は結論付ける。



