暴落はチャンス?投資のプロが教える下落相場で知っておくべき基本
暴落はチャンス?投資のプロが教える下落相場の基本

暴落局面では、「売るべきか、それとも買うべきか」と悩む投資家は少なくありません。しかし、長く資産を増やしている人ほど、相場が大きく下がったときの考え方が異なります。『投資がうまくいく人の当たり前』(新井和宏/アスコム)から、暴落時に知っておきたい投資の基本を紹介します。

下落は「チャンス」:下げ相場で買えない人は結局高値づかみ

相場が大きく動くとき、多くの人は「怖い」と感じます。ニュースやSNSで株価の下落が話題になると、不安が連鎖的に広がります。しかし、そんなときこそ投資家としての姿勢が問われます。下落相場は「終わり」ではなく、「チャンス」と捉えられる習慣が身につくと、投資を長く続けられます。安く買える局面は、将来のリターンの種をまく時間でもあります。相場が大きく動くときは、想像以上に下がることがあり、その理由を理解することが大切です。

相場が大きく下がる理由

(1)値動きで稼ぐプロたちがいる

ひとつは、相場の世界では株価が大きく動くほど喜ぶ人たちがいるためです。銀行や証券会社でトレーディングをしている人たちは、値動きがあることで利益を出せるからです。相場が静かなときは、日々売り買いをしても同じ値段で買って同じ値段で売らざるを得ないため、稼げません。儲け時ではないのです。ところが、相場が大きく動き始めた瞬間、稼ぎ時になります。「よし、きた」といって実際に稼ぐ人もいます。そうした人たちが一定数いるだけで、相場の変動幅は自然と大きくなります。

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(2)追い込まれて強制的に売らされる人がいる

もうひとつの理由は、「レバレッジ」(てこの原理のように、「手持ち以上」の大きな取引をする仕組み)です。レバレッジ取引では、担保として保証金を預けます。損が増えてくると、もっと保証金を入れるようにいわれます。多くの投資家が借り入れを使って売買していると、急落したときに「(追加の)保証金を入れられない」状態になります。すると、取引会社が強制的にその人の持っている取引を終わらせることになります(「強制決済をする」「ポジションを手放す」といいます)。この「強制的な売り」が連鎖することで、急落が加速し、相場は想定以上に下がってしまいます。

オーバーシュートと不安心理

これらがそろうと、いわゆる「オーバーシュート(行きすぎた変動)」と呼ばれる現象が起きやすくなります。さらに、どこまで下がるか誰にもわからないという不確実性が、不安心理を強めて売りを後押しします。つまり、急落相場では、企業の利益が落ちた、不祥事が起きたなどの「理由のある動き」以上に、「市場の仕組み上の動き」が大きく作用するケースもあるのです。これを知っているだけでも、恐怖への向き合い方は変わります。

「怖いから売る」は最悪手

こうした下落の局面でやってはいけないのは「怖いから売る」行為です。株価は、景気や為替、国際情勢などの「外部要因」によって一時的に下がることがあります。しかし、こうした下落は企業の価値そのものが急に悪化したわけではなく、市場が不安を織り込んで必要以上に安くつけている局面でもあります。割安なときに売ってしまうと、本来であれば将来回復によって戻ってくる利益ごと手放すことになります。一時的な下落はあっても、長い目で見れば経済や企業活動は再び動き出す傾向があります。

下がっているときに買う習慣

むしろ、下がっているときに買う習慣を持つことが大切です。もちろん、どこまで下がるかは誰にもわかりません。だから、「いつでも買える余力」を残しておくことが大切です。

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アクションリスト

  • 大きく下がった日は、売る前に個別株なら「会社の中身が悪くなったのか」、投資信託なら「ファンドの運用方針や投資対象が変わったのか」を確認する
  • 買い増しできるように、いつも現金を少し残しておく

『投資がうまくいく人の当たり前』(新井和宏/アスコム)では、投資で本当に怖いのは、損をすることだけではないと指摘。自分の判断基準を持たないまま、誰かの言葉、相場の空気、画面上の数字に人生のお金を預けてしまうことの危険性を説いています。新NISA、円安、物価高、混沌とする世界情勢の中で、「今は何を買えばいいのか」と迷う人ほど、まず知るべきことがあるとしています。何を買うかの前に、何と向き合うか。上がるたびに浮かれ、下がるたびに折れる投資から、根拠を持って選び、納得して持ち続け、必要なときに悩まず動ける投資へ。はじめたても、ベテランも、一生支えになる「投資の当たり前」を、多くの投資家が信頼を寄せ続ける著者が明かします。