世界的抹茶ブームで日本がすぐやるべきこと「和牛の失敗」繰り返すな
世界的抹茶ブームで日本がすぐやるべきこと

世界的抹茶ブームの裏で進行する価値の希釈化

世界中で抹茶の需要が急速に拡大している。しかし、この世界的なブームの裏で、日本が長年育んできた本物の抹茶の価値が揺らぎかねない事態が進行している。伝統的に日本の茶文化の中で育まれてきた抹茶は、茶道や宗教儀式、社交儀礼などにおいて象徴的な役割を担ってきたが、近年では健康志向・自然志向の高まりを背景に、食品・飲料産業における新しい機能性素材として世界的に注目を集めている。

粉末茶葉の利点と市場拡大の背景

粉末として茶葉をそのまま摂取することは、浸出液を飲用する一般的な緑茶とは異なり、茶葉の持つ栄養素や機能性成分を余すことなく体内に取り込むことを可能にしている。この特性は、健康飲料、サプリメント、菓子類、さらには化粧品原料にまで応用が広がり、様々な利用シーンがSNSなどで発信され、世界市場における抹茶の価値を飛躍的に高めている。

「和牛の失敗」を繰り返すな

静岡県立大学茶学総合研究センター長で食品栄養環境科学研究院特任教授の中村順行氏は、この状況について警鐘を鳴らす。「粉砕しただけのお茶が輸出先で『抹茶』商品として販売されている。これでは『和牛の失敗』を繰り返すことになる」と指摘する。和牛は海外で品種改良や生産が進み、日本産のブランド価値が相対的に低下した経緯がある。抹茶も同様に、定義や品質基準が曖昧なまま輸出が拡大すれば、日本産本物の抹茶の価値が損なわれるリスクがある。

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今すぐ取るべき対策

中村氏は、日本がすぐに取り組むべき施策として、国際的な抹茶の定義と品質基準の明確化、産地や製造方法の認証制度の導入、そして海外での日本産抹茶のブランド戦略の強化を挙げている。「世界的な抹茶ブームをチャンスに変えるためには、品質管理とブランド保護が不可欠だ」と強調する。

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