塚田農場、990円弁当を10年据え置く理由 自社工場の決断が支えるこだわり
塚田農場990円弁当、10年据え置く理由 自社工場の決断

東京駅で購入したチキン南蛮弁当は税込990円。値上げが続く外食業界にあって、この価格を維持できる背景には、10年前に下したある決断があった。

自社工場が支える手作りのこだわり

多くの弁当工場では効率を優先して既製品の玉子焼きを仕入れるが、塚田農場おべんとラボでは手作りにこだわる。APHDの森尾さんは「玉子焼きはいまだに手作りです。APHDのこだわり卵『塚だま』の濃厚な旨味を生かすために手作りにこだわっています」と話す。

「玉子焼きってやっぱりお弁当のポイントになると思うんです。人件費はかかっても、ここは譲れないんです」と森尾さん。弁当を開けたとき、みっちりとしたツヤのある玉子焼きが入っていることで、この弁当が「ちゃんとしたもの」だとわかるという。

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チキン南蛮も一から開発

玉子焼きだけでなく、鶏の南蛮タレは粘度をつけ、タルタルはマヨネーズと他の材料を合わせるところから自社で行う。タルタルの酸味と食感にもこだわり、「タルタルの酸味は、ピクルスや玉ねぎをフレッシュな状態で入れてます」と森尾さん。

チキン南蛮一つとっても、居酒屋「塚田農場」で出すものとは別物として開発。冷めてもおいしいように、一つひとつの工程に理由がある。

10年前の決断が生んだ差別化

こうした手間は工場の規模が大きくなればなるほど品質の維持が難しくなる。1日に大量の弁当を作りながらこだわりを守り続けられるのは、自社工場を持っているからに他ならない。外部に委託していれば、細かい部分はとっくに削られていたはずだ。

「あんまり人がしない考え方をいくんですよ」と森尾さん。10年前に下した工場取得という決断は、単なる設備投資ではなく、今日の塚田農場おべんとラボを支える土台そのものだった。

2015年に自社工場を持ったことで、2016年には日本テレビの人気番組「24時間テレビ」から注文が入るなど、新しい扉が開いた。

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