高岡銅器、6年ぶり100億円回復 2024年度販売額103億円 新商品開発が奏功
高岡銅器、6年ぶり100億円回復 24年度103億円

高岡銅器の2024年度の販売額が103億5734万円となり、2018年度以来6年ぶりに100億円台を回復したことが、高岡市の調査で明らかになった。伝統技術を生かしつつ、需要変化に対応した新商品の開発やPR活動が実を結んだ形だ。

6年ぶりの100億円超え、ピーク時からは減少も回復基調

市の調査は1978年に開始され、現在は2年ごとに実施。今回は2025年8~10月に179社を対象に行われ、139社から回答を得た。高岡市は全国有数の金物仏具の産地で、ピーク時の1990年度には370億円以上の販売額を誇った。しかし、賃貸住宅の増加や仏壇・床の間の減少など生活様式の変化により売り上げは年々減少。2020年度には95億8600万円と初めて100億円を割り込んだ。2022年度は99億円台だったが、その後2年で4.4%増加し、100億円台を回復した。

神仏具以外が4割、テーブルウェアやアクセサリーが牽引

2024年度の販売額内訳では、「神仏具」が44.4%を占める一方、「テーブルウェア(食器類)」が16.7%、アクセサリーや庭製品などの「その他」が23.8%に達し、神仏具以外の合計は約40%に上った。高岡銅器協同組合の四津井宏昌理事長は「培った技術を生かし、現代の需要に合った新商品を開発する各企業の努力の結果が出た」と分析する。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

課題は中東情勢と後継者不足、市も支援策

一方、2025年度は中東情勢の影響で銅器の着色工程に使うシンナーの確保が不安定となり、商品出荷に影響が出る可能性がある。後継者不足も深刻で、市の調査では後継者が「未定」または「不在」と回答した割合が、問屋で71.4%、鋳造で58.8%、加工で85.7%に上る。高岡市は2025年度予算で、全国の大学生・専門学生を対象としたインターンシップ事業に270万円を計上し、後継者確保に取り組む。また、海外販路拡大のため富裕層を招くPR事業に100万円を充てている。四津井理事長は「市や地元の学校などと連携し、間口を広くして販路拡大や職人獲得に取り組みたい」と話す。

コンパクト仏具「音心具」、インテリアになじむ新商品

核家族化による住宅事情の変化に対応し、場所を取らないコンパクトな仏具を開発する企業もある。高岡市内免の仏具メーカー「山口久乗」は、おりんと形見入れを組み合わせた供養道具「音心具(おんしんぐ)」を約3年前から販売。球状の遺骨入れ「心具」と、指で鳴らすベル型やろうそく立て一体型の「音具」を組み合わせた商品で、高さ10センチ以下のものが中心。仏壇がなくても机の上や玄関に置いて手軽に供養できるようデザインされ、住宅のインテリアになじむことを目指した。同社のおりんは独自の金属配合と職人の削り技術による心地よい音の「ゆらぎ」が特徴で、高岡市内の鉄道駅の発着音にも採用され、「久乗おりん」として県のブランド認定を受けている。コンパクトな音心具にもその技術が活かされている。5月には本社2階のショールームを改装し、多様なサイズやデザインの商品を手に取れるようにした。山口康多郎社長は「高岡銅器の高い品質で、他の産地の商品と差別化していくことが大切だ」と強調する。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ