スバルは、矢島工場の一部改修と大泉新工場の新設を通じて、グローバルでの年間生産能力を100万台規模に引き上げる計画だ。この生産体制の要となるのが「究極の混流×ブリッジ生産」であり、米国関税など市場環境の急変にも柔軟に対応できるという。
「究極の混流×ブリッジ生産」とは
混流生産は、異なるモデルを同一ラインで効率的に生産する方式。スバルはこれをさらに進化させ、「ブリッジ生産」を組み合わせる。ブリッジ生産とは、需要変動に応じてラインの切り替えを迅速に行い、生産量を柔軟に調整する手法だ。これにより、関税引き上げや地域ごとの需要変化など、予測困難な事態にも対応可能となる。
渡邊常務執行役員は、「新しい技術進化を考慮しているので、既存の工場をすべて大泉新工場のような形に段階的に変更することはそう簡単ではない」と述べ、工場ごとに役割を分担する方針を示した。
大泉新工場の革新性
大泉新工場の最大の特徴は、「太くて短い製造ライン」を採用することだ。これは生産工程、開発手番、部品点数の半減を目指す「トリプルハーフ」の要となる。具体的には、高効率なメイン工程と、変化を吸収するサブ工程を組み合わせ、変種変量短生産を実現する。
さらに、スバルらしい「自働化」(動ではなく働)を追求し、知能化した構内物流による高効率な混流生産を目指す。これにより、電動化やモデル多様化への対応力を高める。
工場ごとの役割分担
スバルは、本工場、矢島工場、そして北米のSIA(Subaru of Indiana Automotive)を含む各工場に異なる役割を与える方針だ。渡邊常務執行役員は、「それぞれの工場で狙う役割を決めたうえで、すべて同じ体系にしなくてもよい」と説明する。
具体的には、大泉新工場は革新的・先進的な生産を担い、矢島工場は一定の販売が見込めるモデルを効率的に生産する。本工場では、スバルが注力するパフォーマンス系やアドベンチャー系などの「尖ったモデル」を少量生産する可能性がある。
大泉新工場の稼働開始時期については、今回の取材では明らかにされなかった。



