近鉄社員「この先の桜がきれい」に宿る人間味と強さ 日本最大私鉄の秘密
近鉄社員「この先の桜がきれい」に宿る人間味と強さ

近鉄(近畿日本鉄道)は、営業キロ501km、286駅を有する日本最大の私鉄である。しかし、元近鉄広報マンである福原稔浩氏は、単なる数字の大きさだけでは近鉄の真の強さを語れないと指摘する。同氏は広報担当者として、また一社員として現場に立ち、その根底に流れる一貫した考え方が近鉄を近鉄たらしめていると実感してきた。

社員の何気ない一言に「近鉄らしさ」

福原氏が社内や現場を歩き、社員の声に耳を傾ける中で何度も気づいたことがある。それは、社員一人ひとりが「自分の沿線には何があるのか」「この地域の良さをどう伝えたらいいのか」を、ごく自然に語っているという点だ。これは決してマニュアルに書かれたものではない。

駅の事務所や車内、作業場で社員に話を聞くと、「この先の桜がきれいなんですよ」「この路線は季節で表情が変わるんです」と、沿線への目配りを欠かさない。その根っこにあるのは、お客様に近鉄の素晴らしさを伝えたいという思いである。こうした何気ない一言の中に、「近鉄らしさ」が宿っていると福原氏は感じたという。

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列車は地域の顔

近鉄の強さは、単なる路線網の広さではなく、地域に密着した姿勢にある。社員一人ひとりが沿線の魅力を自ら発信し、それを誇りに思う文化が根付いている。福原氏は、こうした人間味あふれる社員の姿勢こそが、他社には真似できない近鉄の強さの秘密だと語る。

例えば、観光シーズンには社員が自ら沿線の花見スポットや紅葉の名所を案内することもある。こうした取り組みは、公式なキャンペーンではなく、社員の自発的な行動から生まれている。福原氏は「数字だけでは測れない、地域とともに歩む姿勢が近鉄の真の価値」と強調する。

規模を超えた強さの源泉

近鉄は他社から「路線が多くて大変でしょう」と言われることもあったが、福原氏はそれをむしろ強みに変えてきた。長大な路線網を支えるのは、社員の地域への愛情と、お客様へのサービス精神である。福原氏は、近鉄の強さの源泉は、社員一人ひとりが持つ「沿線愛」にあると結論づけている。

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