50代に入り、体が重く感じたり、思うように動かなくなったりするのはなぜか。フィットネストレーナーで鍼灸師の前田修平氏は、その原因は加齢や筋力低下ではなく、筋肉への「電気系統(神経)」の錆びつきにあると指摘する。週末だけのハードな運動では、平日の座りすぎや運動不足を解消できないという。
大人が久しぶりに走って転倒する理由
前田氏によれば、人の体は7~10年のサイクルで細胞が生まれ変わっている。20代から数えれば約3回は細胞が入れ替わっているのに、年々体が思い通りに動かなくなる。その原因の一つは、筋肉を育てるための刺激が少ないことだ。外出先でエスカレーターを使う、徒歩5分の場所でも車で移動する、長時間同じ姿勢でスマホやパソコンを操作する――こうした習慣は刺激が少なく、健康な体から遠ざかる。
週末のまとめ運動では不調をリセットできない理由
40代から筋力の衰えが始まり、50代になると運動を続けている人とそうでない人の差が顕著になる。しかし、より深刻なのは筋力低下以上に「神経の出力低下」が起こっていることだ。エンジンである筋肉自体は動くのに、電気系統である神経が錆びついて体が動かないイメージだと前田氏は説明する。週末だけのハードな運動では、平日の座りすぎによる神経の錆びつきを解消できず、むしろケガのリスクを高める可能性もある。
今日からできる24時間セルフケア生活
前田氏は著書『衰えないための健康しなやか筋トレ 50代から始める、動ける体のメンテナンス』で、特別な器具やジムに行かなくても、オフィスや自宅の「すきま時間」に1日5分、生活に溶け込ませるだけで劇的に体が変わる「24時間セルフケア習慣」を紹介している。例えば、デスクワーク中にこまめに立ち上がる、階段を使う、ストレッチを取り入れるなど、日常の動作を意識的に変えることで神経の出力を維持・向上させることができるという。
思考や習慣とともに痛みや衰えを遠ざける
前田氏は「平日の座りすぎを週末の運動で帳消しにしようとするのは逆効果」と警鐘を鳴らす。50代の体には、毎日の小さな積み重ねが重要であり、加齢による衰えは避けられないとしても、神経の錆びつきを防ぐことで、動ける体を維持できるとしている。



