ワーク&ケアバランス研究所は2026年7月7日、『ケアラーにおける自己犠牲と内観に関する実態調査』の結果を発表した。同調査は2026年6月19日、家族の介護をしている30代~60代の男女331名を対象にインターネットで実施された。
自由時間の確保状況
「自分のためだけに使える自由な時間を十分に確保できているか」という質問では、「十分ではないが、ある程度は確保できている」が42.0%で最多、「あまり確保できていない」が31.7%、「十分に確保できている」が18.4%、「全く確保できていない」が7.9%と続いた。「十分ではないが、ある程度は確保できている」「あまり確保できていない」「全く確保できていない」を合計すると81.6%となり、8割以上のケアラーが自由な時間を十分に確保できていない実態が浮き彫りになった。
自分自身と向き合う時間
「1日のうち、自分自身と向き合う時間(内観時間)をどのくらい作れているか」の問いには、「1時間以上」が25.7%、「全く作れていない」が19.6%、「10分~30分未満」が18.1%と続いた。「5分~10分未満」「5分未満」「全く作れていない」の合計は40.2%で、4割以上のケアラーが内観時間を10分も確保できていないことが明らかになった。
介護による諦め
「介護を理由に、一時的または完全に諦めてしまったことは何か」という複数回答形式の質問では、「旅行」が40.5%で最も多く、次いで「趣味(推し活など)・娯楽」が39.3%、「諦めたことはない」が30.5%だった。多くのケアラーが旅行や趣味といった自己実現やリフレッシュの機会を犠牲にしている実態が示された。
本音を言葉にする機会
「日々の介護生活におけるストレスや不安、自分の心の声や本音を客観的に言葉にする機会はあるか」では、「少しはある」が33.5%、「全くない」が28.7%、「あまりない」が27.8%となり、「全くない」と「あまりない」を合計すると56.5%で、過半数が本音を言葉にする機会に乏しいことが判明した。
その理由としては、「話しても解決しない・理解されないと思う」が54.0%で最多、「誰に話せばいいかわからない」が32.6%、「忙しくて気持ちを整理する余裕がない」が32.1%と続いた。ケアラーは周囲に理解されないと感じたり、相談先がわからなかったり、時間的余裕がないために感情を言語化できていない実態が浮かび上がった。
可視化の仕組みへの期待
「自身の本音を可視化し、自分自身と向き合うことができる場所や仕組みがあれば、日々の生活や介護に対する気持ちは前向きになると思うか」という質問では、「ややそう思う」が47.7%、「あまりそう思わない」が31.4%、「非常にそう思う」が14.8%となり、「ややそう思う」と「非常にそう思う」を合計すると62.5%に達した。6割以上のケアラーが、本音を可視化する仕組みによって前向きになれる可能性を示している。



