JR東海の採用ランキングで、日本大学が1位に輝くなど、中堅私立大学の躍進が目立っている。受験・学歴評論家の伊藤滉一郎氏は、「東大・京大・早慶などから少数精鋭を選抜するのではなく、幅広い大学から必要な人材を確保する分散型採用の一流企業は多い。入試難易度を踏まえれば、就職に強い中堅私立大学は『高コスパ』だ」と指摘する。
JR東海「採用大学ランキング」の意外な結果
かつてJR東海は「東大の就職先」というイメージが強く、東洋経済の調査では役員の約7割が東大卒で占められていた(2014年当時)。いわゆる“学閥”の強さから「JR東大」という俗称まで生まれたほどだ。しかし、実際の就職ランキングを見ると、必ずしも「東大一強」ではないことがわかる。
直近10年の東大からの就職者数は毎年10~15人程度と依然として多いものの、最新のランキングで1位となった日本大学をはじめ、私立中堅大学の強さが際立っている。
中堅私大が強い背景
JR東海は鉄道業界でもトップクラスの給与水準を誇る。総合職として入社し順調に昇進すれば、30代で年収1000万円も狙える。インフラ企業は若いうちから高収入が見込めるわけではないが、抜群の安定性と中長期的な魅力的な待遇から人気は根強い。
近年、JR東海は分散型採用を積極的に進めており、東大や早慶だけでなく、MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)や日本大学など、幅広い大学から人材を確保している。特に「マンモス大学」と呼ばれる大規模私立大学は、卒業生数が多いため採用数でも上位にランクインしやすい。
キャリア支援とOBネットワークの強み
中堅私立大学の強みは、手厚いキャリア支援と強固なOBネットワークにある。日本大学をはじめとする中堅私大は、就職支援センターの充実やOB・OGによる業界説明会などを通じて、学生の就職活動を強力にバックアップしている。これにより、入試難易度以上の就職実績を上げる大学が少なくない。
伊藤氏は「入試難易度だけでは測れない『就職力』が中堅私大にはある。特にJR東海のような安定した企業を目指すなら、学歴だけにこだわらず、キャリア支援の実績が豊富な大学を選ぶことが重要だ」と語る。
無視できない中堅私大の存在感
JR東海の事例は、一流企業が必ずしも最難関大学出身者だけを採用しているわけではないことを示している。むしろ、多様な人材を確保するために、中堅私立大学からの採用を積極的に行う企業が増えている。
伊藤氏は「東大・京大・早慶といった最難関大学は依然として強いが、それだけが就職の成功を保証するわけではない。中堅私大でも、企業が求める人材像に合致すれば、高収入を得るチャンスは十分にある。入試難易度と就職実績のバランスを考慮すれば、中堅私大は非常にコストパフォーマンスが高い選択肢と言える」と結論づけている。



