東洋経済の最新記事は、日本の半導体戦略と経済安全保障の関係を深掘りしている。政府は2023年に「半導体・デジタル産業戦略」を改定し、2030年までに国内半導体関連売上高を15兆円に引き上げる目標を掲げた。これは2020年の約5兆円から3倍増を目指すもので、官民合わせて10兆円規模の投資が必要とされる。
経済安全保障の観点から見た半導体の重要性
半導体はデジタル社会の基盤であり、軍事・宇宙・AIなどの先端技術にも不可欠だ。経済産業省は2022年に「経済安全保障推進法」を施行し、半導体を「特定重要物資」に指定。安定供給の確保を図っている。記事では、台湾に依存する半導体製造のリスクを指摘。台湾有事が発生した場合、世界の半導体供給の9割以上が途絶える可能性があると警鐘を鳴らす。
政府の戦略と課題
政府は台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場誘致や、ラピダス社による次世代半導体の国産化プロジェクトを推進。しかし、人材不足やコスト競争力の課題が残る。記事によると、半導体業界では国内で約4万人の人材が不足しており、海外からの技術者受け入れも進んでいない。また、半導体工場の建設コストは米国や台湾に比べて2~3割高いとされ、国際競争力の低下が懸念される。
今後の展望
記事は、日本の半導体戦略が成功するかは、官民の連携と国際協力にかかっていると結論。特に、米国や欧州との協調が重要で、日本は「日米半導体協力」の枠組みで先端技術の共同開発を進めるべきだと提言している。また、国内のスタートアップ育成や、半導体設計分野での強みを活かすことも必要だと指摘。経済安全保障の観点から、半導体の安定供給と技術の自立が日本の未来を左右すると強調している。



