東洋経済の『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2026年版の調査によると、新卒社員が3年後も定着している企業のランキングで、定着率100%を達成した企業が95社に上った。この調査は2025年4月1日時点のデータに基づいている。
全体平均は80.0%、業種別で差が顕著
全体の平均定着率は80.0%だった。定着率100%には届かなかったものの、上位企業には任天堂(99.2%、121人)、第一三共(98.9%、91人)、東京エレクトロン(98.7%、227人)などが名を連ねた。
業種別(集計対象が10社以上)では、電気・ガス業が93.1%で最も高く、次いで医薬品(89.4%)、倉庫・運輸関連業(87.8%)、化学(87.2%)と続いた。一方、低い業種としては小売業(63.8%)、証券・商品先物(64.7%)、サービス業(68.3%)、その他金融業(75.2%)、パルプ・紙(76.6%)が挙げられる。
低定着業種でも100%維持の企業
平均値が低い業種であっても、高い定着率を維持している企業は存在する。その他金融業では三菱HCキャピタルが定着率100%を達成。サービス業では乃村工藝社やカカクコムが定着率100%だった。
定着率が増加に転じる背景
新卒3年後定着率の推移を見ると、2017年4月時点の83.7%(2018年版)から2024年4月時点の78.4%へと低下傾向が続いていたが、今回の調査では増加に転じた。これまでの「売り手市場」や転職市場の拡大といった外部環境や、新卒社員のキャリア観に変化が生じている可能性がある。
企業の取り組みが功を奏す
早期離職の防止は企業にとって重要な課題だ。上位企業の特徴として、働きやすい労働環境の整備、業界内でのプレゼンス向上に加え、若手の成長に関する取り組みを拡充している企業が多い。具体的には、社内外における兼業・副業制度や、社内のポジションを公募する手挙げ制度などの導入が進んでいる。今回の定着率増加は、こうした対策が効果を上げていることを示唆している。
ランキングの活用を
本ランキングは、企業の人材マネジメント強化の好例として活用できる。詳細なランキング表は次ページ以降で公開されている。



