経産省、半導体・蓄電池の国内生産補助金を拡充へ、2027年度予算要求で
経産省、半導体・蓄電池の国内生産補助金を拡充へ

経済産業省は2027年度予算の概算要求において、半導体や蓄電池といった経済安全保障上重要な物資の国内生産を促進するための補助金制度を大幅に拡充する方針を固めた。関係者によると、同省は先端半導体の量産工場建設や蓄電池のサプライチェーン強化に向け、これまでの補助金枠を上回る規模の支援を検討している。

半導体分野への重点支援

半導体分野では、先端ロジック半導体の量産を目指すラピダス(北海道千歳市)や、台湾のTSMCが熊本県に建設中の工場などに対して、引き続き手厚い補助を行う見通しだ。特にラピダスには、2025年度までに累計約9200億円の支援が決まっているが、2027年度以降も量産開始に向けた追加支援が必要とされている。経産省は、半導体の安定供給確保は国家安全保障上の優先課題と位置づけており、補助金の拡充により国内生産能力の底上げを図る。

蓄電池のサプライチェーン強化

蓄電池分野では、電気自動車(EV)の普及拡大を見据え、電池セルや材料の国内生産を後押しする。経産省は、蓄電池のサプライチェーンを強化し、中国など海外への依存度を低減するため、電池メーカーや素材メーカーへの補助金を拡大する方針だ。具体的には、電池工場の新設や増設、リサイクル技術の開発などに対して、これまで以上の補助率や補助上限額を設定する案が検討されている。

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経済安全保障の観点から

今回の補助金拡充は、経済安全保障推進法に基づく「特定重要物資」の安定供給確保が目的だ。同法では半導体、蓄電池、重要鉱物、医薬品など11分野が指定されており、政府はこれらの物資の国内生産や備蓄を支援するための基金を設立している。経産省幹部は「地政学的リスクが高まる中、重要物資の海外依存は国家の脆弱性につながる。国内生産基盤を強化し、サプライチェーンの強靱化を図る必要がある」と述べている。

2027年度予算要求の規模

2027年度予算の概算要求は、各省庁が8月末までに財務省に提出する。経産省の要求額は、半導体・蓄電池関連の補助金を中心に、前年度を上回る見通しだ。財務省との折衝を経て、年末の予算編成で正式決定される。政府は、2023年度補正予算を含め、半導体分野に約3兆円、蓄電池分野に約1兆円の公的支援を既に表明しており、今回の拡充でさらに積み増しされる可能性がある。

産業界の反応と課題

産業界からは補助金拡充を歓迎する声がある一方、持続可能な産業育成には民間投資の活性化が不可欠との指摘もある。半導体業界関係者は「補助金は初期投資のリスクを軽減する効果があるが、長期的には企業自身の競争力向上が重要だ」と語る。また、蓄電池分野では、原材料の安定調達や人材確保が課題となっており、補助金だけでなく、関連政策の総合的な推進が求められている。

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