メルカリ山本氏、越境ECを100カ国超へ拡大へ 安心安全対策で最高益
メルカリ山本氏、越境EC100カ国超へ 安心対策で最高益

メルカリ日本事業の責任者を務める山本真人氏が読売新聞のインタビューに応じ、出品物の真偽鑑定や匿名返品などの機能を導入した結果、2026年6月期連結決算で過去最高益を達成できたとして、今後も安心・安全対策を推進する方針を強調した。また、越境EC事業にさらに注力し、海外の利用者が日本のメルカリへの出品物を購入できる「グローバルアプリ」の対象国・地域を現在の3から100以上に拡大する考えも表明した。

安心・安全の取り組みが成長に寄与

2026年6月期連結決算では、最終利益が前期比36%増の354億円となり、過去最高となった。この要因について山本氏は「安心安全の取り組みを進めたことにより、お客様が安心して出品や買い物ができるようになり、成長に寄与したと考えている。より高い金額のものが売り買いされ、継続して利用してくれるお客様も増えた」と述べた。

具体的な取り組みとして、従来は返品の際にお客様同士で住所を連絡する必要があったが、匿名での返品機能を導入した。また、従来は購入者が出品物を受け取り、評価してから売り上げ金が出品者に入る仕組みだったが、一定の条件を満たせば、購入者の評価を待たずに受け取れるようにした。取引に関する問い合わせの発生率は、2024年上半期の0.49%から、2026年上半期には0.35%に低下した。「これを限りなくゼロに近づけていきたい」と語った。

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過去の取引データを基に、不審な出品者や取引、出品物についてもAIで判定している。顧客対応や不正対策のチームと、AIの専門チームとの連携も進めている。近年、すり替えの返品などの問題も起きており、「不正を未然に防ぎつつ、万一未然に防げなかった場合は補償対応をとっていく方針だ」と説明した。

補償完了率と偽物・盗品対策

補償対応については、48時間以内に補償を完了した割合が2025年上半期は40.1%だったが、商品回収や照合の体制を強化したことで、2026年上半期には92.6%に改善した。AIの活用によりさらに改善を進めたいとしている。

偽物や盗品などの出品規制については、自社運営の「メルカリ鑑定センター」を2025年9月に設立し、出品物が真正品であるかどうかをチェックする鑑定機能を導入した。高額取引の場合は本人確認を必須とするなどして、不正な取引の削減に努めている。盗品かどうかについて自社だけで判断するのは難しいが、2026年7月には警察庁と不正取引の情報共有に関する協定を結び、対策を強化している。

限定グッズなどが転売目的で大量に出品される事例への対策については、「出品物について基本的な原則やルールを定めているが、お客様の安心安全が損なわれそうだと判断できる場合は、個別に対応していきたい」と述べ、有識者会議を設置して外部の有識者の意見を聞きながら判断していく方針を示した。

使用しているAIについては、オープンAIやアンソロピックといった外部のモデルだけではなく、メルカリが自社で開発したAIも用いている。不正検知や真偽鑑定などの場面に応じて最適なAIを組み合わせている。「我々にはこれまで何十億という規模の出品物のデータがあるので、このデータを生かしてAIの精度を高めていきたい」と語った。

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越境ECの拡大と「ジャパンユーズド」への信頼

越境ECの可能性について、山本氏は「アニメ、コミック、ゲームなど日本のコンテンツ関連の出品物の人気が高い。ただそれとは別に、海外からの日本人に対するレピュテーションや信頼はすごく高いと感じている。日本人が使っていたものであれば質も高く、本物で、丁寧に使われているだろうという信頼だ。『ジャパンメイド』だけでなく、『ジャパンユーズド』のものが海外では人気があり、信頼されている」と述べた。

「この領域には私たちの想像を超えたニーズがある。ちょっとした缶バッジやノベルティー、映画館で来場者に配られた特典のシールとか、日本だとそんなに高い値段がつかないようなものでも、海外では手に入らないという場合もある。日本人はそうしたものでも大事に使った上で出品する。物を大事にするという日本の美徳、魅力がメルカリには集まっている」と語った。

越境ECの目標については、外部の事業者を通じて日本の出品物を購入できる国はすでに100か国・地域に上る一方、メルカリ自身で直接越境サービスを展開しているのは米国、香港、台湾の3か国・地域のみ。これを2028年までに50以上、中長期的には100以上に伸ばしたいとしている。現在の円安も追い風だとし、AIを用いて出品物の情報を翻訳し、各国の言語に対応していく方針だ。