総合商社の丸紅が2026年4月、社長直下に新たな組織「バリュー・クリエーション・オフィス(VCO)」を設立した。この組織は、同社が実施する多様な買収案件において、買収後の統合作業を専門的に支援することを目的としている。
新組織の構成と特徴
VCOには、社内から投資ファンド事業の経験者、物流、マーケティング、デジタル分野のプロフェッショナルが招集された。さらに、人事、財務、法務といったコーポレート部門の社員も参加。加えて、戦略コンサルティングファームなど社外からの出身者も多数在籍しており、メンバーの約半数が中途人材で構成されている。
初期段階から一気通貫のサポート
VCOのメンバーは、M&Aの初期段階から案件に参画する。事業面では、各分野の専門的な観点からシナジー創出戦略の構築や、買収後の経営計画策定に関する助言を提供。また、買収後のガバナンス体制の構築や社内基盤の整備など、管理体制の構築についても支援を行う。
例えば、最近買収した消費者向け企業の事例では、広告代理店出身者やデジタル分野の専門家がAIを活用した広告運用の最適化計画を策定し、買収後の売上拡大策を提示。管理面では、従業員の離職防止策、新しい報酬体系の設定、法務や経理面の整備に至るまでトータルでサポートしたという。
統合機能強化の背景
丸紅がM&A後の統合機能を強化する背景には、株価上昇が一服し、より一層のスピード感が求められている事情がある。買収後の統合を迅速かつ質の高いものにすることで、投資効果を早期に最大化する狙いだ。
このように、VCOは収益の最大化だけでなく、バックオフィス業務に至るまで一体的に支援できる体制が強みとなっている。



